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川上と川下の直接対話で見えてきたもの【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月9日

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コメの生産者・集荷業者(川上)と外食企業(川下)が直接会って喫緊の問題や中期的問題についてどう対応すべきか話し合う機会があった。生産者はコメを中心に100㌶の経営面積を持つ大規模農業法人で、一度に30㎏の種子を積んでドローンで乾田直播を行うという最新の技術で稲作に取り組んでいる。外食企業側は外食団体のチーフアドバイザーがアテンドして全国展開している3社が参加した。このうち2社は海外にも進出しているほか、新たにおにぎり店をチェーン展開している企業も参加した。

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平成5年に法人化したこの生産者は、その当時の耕作面積は12㌶であったが、現在、コメが75ha、サツマイモが22ha、その他、野菜等を含め100haにまで経営面積が拡大している。コメは生産ばかりか販売も自社で行っており、倉庫や精米工場も有し、周りの生産者からも集荷している。水稲栽培で特徴的なことは、ドローンを使った直播栽培に積極的に取り組んでいること。直播に取り組むようになったのは、周辺農家からの耕作委託が来るようになり急激に耕作面積が増え、サツマイモの栽培と干し芋の加工も手掛けたことから人手不足で水稲の移植作業を行っていたら一連の農作業に対応できなくなったことが大きな要因。直播では当初、V溝直播やラジコンヘリを使った播種も行っていたが、費用対効果や作業時間を検証してみてラジコンヘリに比べ5分の1程度の経費で導入できるドローンを使ってみることにした。第一号機は積載量で20kgの種子を積めるものを導入、そのすぐ後に30kg積める2号機を導入して2機で播種している。2機とも軽トラで簡単に積み下ろしできるように滑り台付きの枠組みを作り、バッテリーや種子、農薬を一式積んで300筆もある圃場を軽トラで走り回って1haを10分で播種を終わらせ、2分で除草剤を播く。中国製のドローンは機能が飛躍的に進化しており、積み込んだ種子や農薬が足りなくなると自動で戻って来て、補充してから自動で元の場所から播くことまで出来るようになっている。

もう一つ導入したものが「マイコス菌」を活用した乾田直播で、この菌を籾種に接種すると水なしでも水稲を栽培できる。水利は稲作農家にとって最大の関心事だが、この農家の地区は利根川水系にありながら8月末には止水制限がかけられる。作業面積拡大のため作期を伸ばそうと思っても止水制限により刈取り時期が限定される。これを解決するために導入したのがマイコス菌による乾田直播栽培で、これにより作業工程と作業時間を格段に減らしながら、収穫時期を延ばし、かつ高温対策にもなる。

外食企業側からは、自社で40haの水田を所有してコメ作りを実践している企業から栽培技術についての質問もあったが、目下の最大の関心事である「コメ不足」にどう対処すべきかに話題が集中した。参加企業の中には月500tものコメを使用するところもあるが、納入業者(大手卸)からは9月までしか供給量を確保できていないという通知を受けるなど差し迫っている。また、品種による炊飯特性では「天のつぶ」を評価している企業から6年産米の状況を問われたが、天のつぶは飼料用に向けられており、絶対量が不足しているという見方であった。また、おにぎりチェーンを展開している企業は、ヒノヒカリとおぼろづき、大粒コシヒカリを主原料米に使用している。大粒コシヒカリとはライスグレーダーの網目2ミリ以上で篩ったコメで、これを使用することによってふっくら感と冷めた時の食味を維持しているとのことであったが、生産者側からは玄米を2ミリで篩うと歩留まりが大きく落ちるため精米過程で整粒を整える方法もあることが伝えられた。また、白飯と混ぜご飯で別々の品種を使っている企業からは青森まっしぐらに代えられる品種を関東近県で確保できないかという依頼もあった。

海外展開している外食企業はヨーロッパ、アジア、豪州以外にスリランカ、モンゴルというところまで出店している。モンゴルではウランバートルに最近出店したが、日本食を提供する店舗が少ないこともあって大変な人気で、近く2号店を出店することになった。偶然にも同席した集荷業者がモンゴルへ日本米を輸出しており、どのように日本米をモンゴルまで運んでいるのか情報交換がなされた。

最後に新米を仕入れる場合の契約条件について意見交換がなされたが、外食企業側の1社からは自社使用分の70%まで事前契約をしたいとの意向が伝えられたが、その場合の保管や決済、再見積もりの条件など幅広い問題に議論が及んだ。中でも価格については双方から基本的な考え方が伝えられ、一つのたたき台として生産者側から先物市場で形成される価格を基準にした交渉をしたらどうかという提案もあった。

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