金融・共済 ニュース詳細

2016.08.23 
景気持ち直しの兆しも-農林中金総研の経済見通し一覧へ

 農林中金総合研究所は8月19日に2016~17年度の改訂経済見通しを発表した。鈍いながらも家計所得は改善しつつあり、民間消費の持ち直しが始まる素地があると分析している。

 8月15日に公表された4~6月期のGDP第一次速報では実質成長率は前期比率0.2%と、かろうじて2四半期連続のプラスとなった。
 ただ、民間消費は2四半期連続でプラスとなり、計算上は大きく落ち込んだ昨年10~12月期から年率1.7%ペースで増加しており、持ち直しの兆しが見えているという。
 また、マイナス金利政策の導入によって一段と低下した住宅ローン金利や消費税10%引き上げをふまえた駆け込み需要もあって民間住宅も大きく増加した。15年度補正予算や熊本地震の災害復旧などから公的需要も堅調に推移した。
 その一方、今年に入って農産物の輸出の伸びが鈍化したように、海外経済の回復力の鈍さや円高の進行で輸出と設備投資は軟調だった。
 農林中金総研は今後の見通しについて、7~9月期は昨年より弱いとはいえ夏季賞与が着実に増加(経団連調べで大手企業は前年比1.46%増)しており、西日本を中心とした猛暑とエネルギー価格の下落による実質購買力の改善もあり、消費の持ち直しが継続すると予測している。
 住宅投資も金利低下の影響で増勢が続き、企業設備投資も改善に向かうとみる。一方で円高定着によるインバウンド(訪日観光客)需要の一服感と、輸出の弱含み継続など外需寄与度はマイナスとなる見通しだが、それでも7~9月期は前期比0.2%、同年率0.7%と、3四半期連続のプラス成長と予想した。
 年度下期も円高定着や低成長が続くなか、輸出の改善が見込めない状況は続くが、実質賃金の上昇が消費持ち直しを促すこと、金利低下の影響を受けた住宅投資や設備投資の増加もあり、プラス成長を維持するとしている。また2017年に入ってからは公共事業など公的需要が成長押し上げに貢献することが見込まれるという。
 その結果、16年度の実質成長率は0.6%、名目成長率は1.2%と予測した。前回(6月時点)と変更はない。また、年度末には失業率は3%前後と22年ぶりの水準まで低下するなど、労働環境は徐々に引き締まっていく見込みだ。
 17年度は経済対策に盛り込まれた公共事業が本格化するほか、所得環境の改善による民間消費の回復、東京五輪を見据えた設備投資需要の底堅さなどによって、緩やかな経済成長を実現すると予想している。ただ、円高定着が輸出の順調な回復を阻害することを見込み、17年度の実質成長率は1.1%、名目成長率は1.7%と予測、前回から実質成長率で▲0.2%、名目成長率で▲0.5%下方修正した。
 

一覧はこちら

このページの先頭へ

このページの先頭へ