災害用食料品「備蓄しているが十分ではない」が過半数 農林中央金庫調査2024年5月14日
農林中央金庫が4月末に公表した「災害への備えと食に関する調査」結果では、災害用食料品について「備蓄しているが十分ではない」が55.2%で「備蓄していない」が37.4%だった。
調査対象は全国の20歳以上の男女3500人、調査期間は3月18日から21日。
調査の結果、災害時への備えは多くの人が行っているものの、十分とは言えない現状が明らかになった。
災害時の緊急避難場所は「場所は分かっているが行ったことはない」が48.3%と半数近くを占めた。「チェックしに行ったことがある」が4人に1人(26.1%)いる一方、「知らない」も4人に1人(25.6%)だった。
防災グッズについては「準備している」(40.2%)が「準備していない」(59.8%)より少ないという結果だった。
災害に備えた食料品の備蓄も「備蓄しているが十分ではない」が過半数(55.2%)を占め、次いで「備蓄していない」が37.4%だった。「十分に備蓄している」は1割に満たない7.3%だった。
食料品を備蓄できない理由は「経済的余裕がないから」が28.4%で第1位となっている。次いで「備蓄する場所がないから」27.7%、「何を買っていいかわからないから」27.3%などとなった。
備蓄食料品を「災害時に食べたことがある」は6.6%だが、「日常生活で食べたことがある」は56.0%だった。一方で「食べたことはない」が40.2%だった。
自宅にある食料品で家族全員が過ごせる日数は「2~3日程度」が43.5%と最多で、平均は「5.3日」だった。
今回の調査では、日頃から食料品を多めに買っておき、その備蓄を消費しながら新鮮な食料品に入れ替えていく「ローリングストック」の考え方についても聞いた。
その結果、「知っている」は42.0%で「知らない」が58.0%となり、現状では「知らない」人が多い。
そのうえで今後「ローリングストックをしたい」との声は69.1%と7割に達した。農林中金ではローリングストックが「社会に定着していく可能性が考えられる」としている。また、ローリングストックをしている人がどのような食料品で行っているかを聞いたところ、最多は「レトルト食品」で70.2%、以下、「缶詰」60.6%、「飲料水」58.7%、「主食(ご飯やパンなど)」51.5%、「菓子類」45.3%などとなった。
ローリングストックについて「備蓄品の食品ロスを減らすのに有効だ」と思うのは74.1%、「非常食を買うより楽だ」が68.0%、「災害時への備えにつながる」が76.4%など7割前後の肯定的な評価が得られた。
その一方で「場所を取るので実践しにくい」41.5%、「何を備蓄していいか分からない」47.1%など否定的な回答も少なくなく農林中金は今後の課題も示されたとしている。
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