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【2018年JAの米実態調査から】5年後も主食用生産量を維持  コスト抑制技術に高い期待感(3)2018年8月30日

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・5年後の水田農業を全国のJAが予測

◆コシヒカリが55%―主食用米作付銘柄

【2018年 JAの米実態調査から】図6 主食用米の作付品種ベスト20(上の図をクリックすると大きな画像が表示されます)

 図6は28年産の主食用米作付銘柄をまとめたもので、各JAに作付面積の多い銘柄(品種)をもっとも多い第1位から5位まであげてもらい、その1位から3位までを集計した。
 図の右側の表は、コシヒカリが作付3位までに入っているJAが303あり、全水稲作付面積のうちコシヒカリが占める割合(栽培比率)が55%だということを表している。それを上位20位まで記載した。左の図は、上位10銘柄の栽培比率をグラフ化したもの。
 なお第1位銘柄としてもっとも多かったのはコシヒカリ(216JA)、ヒノヒカリ(78JA)、ななつぼし(37JA)、ひとめぼれ(28JA)、キヌヒカリ(21JA)。第2位銘柄はコシヒカリ(56JA)、ヒノヒカリ(35JA)、キヌヒカリ(35JA)。第3位銘柄はコシヒカリ(31JA)、ひとめぼれ(25JA)、あきたこまち(21JA)となっており、コシヒカリが圧倒的に多く、西ではヒノヒカリとキヌヒカリ、東ではひとめぼれ、あきたこまちが健闘し、北海道ではななつぼしという作付けになっている。
 また、5年後にもっとも作付の多い主食用米銘柄についてきいたところ、回答JA(488)の41%がコシヒカリと回答している(北海道はゼロ)。次いでヒノヒカリが15%(九州では57%)、ななつぼしが7%(北海道では80%)、ひとめぼれが5%、あきたこまちが4%となっている。

 

◆ミズホチカラなどが健闘―飼料用米作付銘柄

【2018年 JAの米実態調査から】図7 飼料用米の作付品種ベスト20(上の図をクリックすると大きな画像が表示されます)

 図7は飼料用米の作付銘柄について、図6と同様の方法でまとめたもの。
 昨年はコシヒカリというJAが62%占めていたが、今回調査では夢あおばが50%を占め、コシヒカリは49%だった。トップ10銘柄の栽培比率ではそらゆたか71%、ミズホチカラ67%、あきだわら59%、あさひの夢53%が高い比率を示している。

 

◆疎植栽培が普及、東では鉄コーも 今後普及する栽培技術

【2018年 JAの米実態調査から】図8 今後普及していくと思われる栽培技術(上の図をクリックすると大きな画像が表示されます)

 水田農業の大規模化は今後の大きな課題となっているが、そのためには効率化・省力化を可能にする水稲栽培技術の普及は必須といえる。現在、いくつかの新しい栽培技術が開発されているが、それが普及するかどうかを聞いたのが図8だ(複数回答)。
 各地区で高い期待度を示され、全国63%のJAが「疎植栽培」をあげた。東日本の50%がもっとも低く九州では80%のJAが普及するとみている。次いで昨年は36%だった「蜜苗」が49%に増加。昨年41%だった「直播 鉄コーティング」が31%となっている。東日本では「蜜苗」が63%と「疎植栽培」50%を上回る回答率となっている。「直播 鉄コーティング」は東日本で46%と高い期待度となっているが、北海道では10%とかなり低い回答率となっている。

 

◆育苗費、作業負担の軽減が普及理由

【2018年 JAの米実態調査から】図9 栽培技術の普及理由(上の図をクリックすると大きな画像が表示されます)

 疎植栽培が普及すると思われる理由としては、「育苗費の軽減」が55%ともっとも多い。次いで「慣行栽培と同等の収量があることが認められたため」が22%、「作業負担の軽減」20%となっている。とくに北海道では「作業負担の軽減」が48%と高いことが注目される。また、他の栽培技術ではみられない「病害の低減が可能」という回答が九州で8%、全国でも3%あったことは注目していいのではないだろうか。
 「蜜苗」では「育苗費の軽減」が50%、「作業負担の軽減」が45%とコスト抑制への効果が大きな理由となっている。、他の栽培技術でも、ほぼ同様の理由が普及する要因とされている(図9)。

 

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