「知財戦略フォーラム」で雑賀慶二氏が講演 東洋ライス2017年2月16日
2月13、14日の両日、東京ドームホテルにおいて、特許庁などの主催で「グローバル知財戦略フォーラム2017」が開催された。東京農業大学客員教授・東洋ライス(株)社長の雑賀慶二氏は14日、特別セッションで「健康社会を実現する精米技術」をテーマに講演した。
このフォーラムは、国内外における知財関連情報の共有、知財活用に関する取り組みの情報交換の場、知財活用に関わる人のネットワーク形成を行う機会を提供するもので、今回は「超スマート社会を見据えたビジネス・知財戦略及び地方創生の新展開」をテーマに講演やパネルディスカッションなどが行われた。
雑賀氏は講演で「私は83歳になるが、これまで儲けるためではなく、社会に役立つために何をするか、を考えて生きてきた」と前置きし、かつては白米に石が混入していて不快な思いをしていたが、石抜機の発明により無石米を実現したことを説明した。
これは、日本の食文化に対しての大きな貢献であった。また美味しく、優れた健康効果を有する金芽米などの開発は、特筆すべきものがある。雑賀氏は増え続ける病人と国や個人が負担する医療費の増大について、日本人の主食である米に課題解決の鍵があると語る。
食事を日本型の食文化の基本に戻し、機能性の高い健全で美味しい米を食べること。そうすることで国民の健康を改善し、米の消費減少に歯止めをかける。美味しく、高額で健康機能に優れた高品質米を生産することで、日本の水田と生産農家の収入を守る。そうした米を海外でも販売展開し、日本の稲作農業の活性化を図ることなどの自論を述べた。
雑賀氏も講演の中で触れたが、日露戦争の際、戦死者数よりも、兵士の病死の方が多かった事実はよく知られている。その原因は白米食にあったが、鴎外・高木論争として文学史や医学史に詳しい。玄米の栄養価を残した美味しい米は、これからも注目されていくだろう。
(写真)講演する雑賀慶二社長
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