「金芽ロウカット玄米」が特許取得 東洋ライス2021年3月25日
東洋ライスは3月24日、「金芽ロウカット玄米」が特許を取得したと発表した。同日開いた記者会見で雜賀慶二社長が経緯などを説明した。

「金芽ロウカット玄米」は玄米表面にある蝋(ロウ)を除去することで、玄米の栄養成分を残しながら白米同様の炊きやすさと良食味を実現。2015年3月の発売以降、毎年出荷量を増やし2019、2020年には玄米カテゴリーで年間売上げ1位を獲得。販売金額は売上2位の商品に約3.2倍の差を付けており、伸長が続く玄米市場を牽引する商品へと成長した。
同商品の特許は、製造機器や製法の特許ではなく、金芽ロウカット玄米というコメ及びその飯そのものの特許となっている。
特許を取得した「金芽ロウカット玄米」金芽ロウカット玄米は、(1)玄米の豊富な栄養成分はほぼ同量、(2)白ごはんのようにおいしく食べられる、(3)炊きやすく、消化性にも優れている(4)白ごはんとの比較で糖質32%オフ、カロリー30%オフという特徴をもっている。そして、いかなる機器で製造しようと、いかなる製法でつくろうと、こうした特徴だけではなく、米粒が白米のご飯粒のように長く伸びて粘りもあり、寿司やおむすびにもなるという「金芽ロウカット玄米」のようなコメが、独占排他的な特許権になっているのが、特許取得の大きな特徴だと、同社では強調している。
同社によると、従来から「ロウ層」を除去した玄米商品が存在していたが、これらの商品はいずれもロウ層を均等に除去したものではないため、炊飯すると割れや曲がりなどが発生し、米粒が膨張できないことで粒そのものが伸び切らないなど、従来の玄米ごはんの域を脱したとはいえない品質が多かったという。
「金芽ロウカット玄米」の特許技術は他に類を見ない商品特性から業界の注目度も高く、他者による「投げ込み」といわれる刊行物等提出書が特許庁の審判官に9件提出され、投げ込みの数は食品としては異例なものとなった。特許庁審査官は特許出願における投げ込みの多さから「画期的な発明」と受け止め、特許庁の審査官による特許査定ではなく、特許庁審判長による審決によって特許が確定した。
雜賀社長は「業界から注目される出願で認められ、極めて重みのある特許となった」と2014年の特許出願から約6年に及ぶ審議を振り返り、「滋養強壮の源ともいえる玄米を最大限活かしたコメとして、人々の健康増進、国の医療費削減に貢献していきたい」と話し、更なる金芽ロウカット玄米の流通拡大を目指す考えを示した。
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