米:27年産米全国JA調査
【27年産米全国JA調査】JA米担当者の声2015年9月11日
国の需給調整は必要主食用米の価格回復の課題
26年産米価格の大幅な低下は生産現場に大きな打撃を与えた。JAグループは主食用米の価格回復を最大の課題として、飼料用米の増産などの作付け転換に取り組んできた。現時点では27年産の過剰作付けは解消し、8000ha程度の生産調整超過達成との見込みとなっている。
今後、価格回復をどう実現するかが課題だ。とくに30年産からは現在の政府による生産数量目標の配分が廃止される見込みで、それを見据え需給調整をどう図っていくが課題となる。それを考えるため今回の本紙アンケートでは「米の生産現場から主食用米の価格回復について何が必要か」を自由に回答してもらった。寄せられた主な声を紹介する。
【主食用米の価格回復に何が必要か?】
●減反の実効性の確保。
●TPP交渉における米の聖域確保、MA米の枠縮小。
●生産数量目標の厳守。
●小麦、大豆および非主食用米への誘導と持続性のある農業政策。
●米の作付けを減らすために転作しているのに、国は備蓄米の作付けをしつこく勧めている。備蓄米は一般米から買い入れれば過剰を調整できる。
●米の消費拡大。
●輸入の停止と在庫米を政治の責任で緊急に処理すべき。そのうえで生産調整の継続と実効性の確保を。
●国の需給調整への関与。
●全農委託にたよらず、JA独自での販売力を強化。安全・安心はもちろん顔の見える、産地の見える販促と、消費拡大のために、国・県・JA・市町村と今以上に連携して国の一大事業として国内産のお米を食べてもらうこと。
●(1)消費拡大(2)実需による安売りの抑制(3)主食用米も含め、需要に応じた用途別生産の自主的取り組み。
●輸入米を国で処分できれば国産米価格が回復するのでは。
●ODAでの支援米としてアフリカなどへの援助で適正在庫水準に戻すことが必要。
●主食用米の適正在庫を目標に、飼料米へ作付け転換をさらに進める、流通経費の圧縮。
●飼料用米等への生産拡大による需給調整
●JA職員の自覚。
●若年層の米消費拡大が必要。気軽に食べれておしゃれな食べ方、商品の開発を。
●いわゆる"年貢米"や、親類、知り合いに売る米の価格が低いことから相場に響くことも多々ある。
●高品質良食味米生産と特別栽培米等、慣行栽培との差別化による有利販売。
●TPPをやめて輸入米を阻止・過剰作付けをやめる、生産調整の確実な実施、輸出米の増加。
●国による需給調整は必要。生産数量目標は今後もずっと示してほしい。農家は急に米以外の品目転換は難しい。
●飼料用米のさらなる推進と継続的な取り組み、単年度の取り組みでは駄目。複数年契約でのメリット強化などを打ち出すべき。
●米価が上がったとしても、飼料用米作付に協力していない農家も同じように上がることになる。過剰達成してでも、米価の下落を止めようとしている農家をもっと支援していくべきだ。
●需給バランスの調整も必要だが、根本的に米の機能性をPRするなど、消費量を以前の水準まで回復させることが重要。
●26年産米の価格低下で生産意欲が低下し、水稲作付を見送る農家もあることを知ってほしい。
●需給に応じた生産量、消費拡大、小売業者の価格競争の見直し。
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・【27年産米全国JA調査】 全国作況「100」の見込み 39道県126JAに聞く (15.09.11)
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