米:27年産米全国JA調査
【27年産米全国JA調査】 全国作況「100」の見込み 39道県126JAに聞く2015年9月11日
九州、四国の一部が低下長雨で今後に不安も
本紙が実施した主要な米産地JAを対象にした調査では27年産米の作柄は作況「100」の見込みとなった。ただ、今回の調査は8月末に依頼し9月1日時点でまとめたもので9月に入ってからの長雨等の影響は織り込まれておらず、27年産米の作柄についてはさらに注視が必要になっている。
調査はJA管内の水田面積に多い順に全国130JAを対象にした。回答が得られた39道県126JAの管内水田面積合計は86万2800ha>で全国水田面積(26年耕地面積統計=245万ha)に対して35%を占める。
今回の調査は8月下旬(25日から31日)に依頼し9月1日時点で集計した。この期間には九州など台風15号の影響を受けた地域があった。
調査は各JA管内の27年産主食用米作付面積(見込み)と主要銘柄の10aあたり平年収量、同27年産の見込み収量を回答してもらった。それをもとに生産量比較から作況指数を試算したところ「100.3」となった。
地域別にみると北海道、東北は100~103と平年並み以上の作柄を見込んでいること、中部から関西は平年並みとみていることが示された。
一方、四国の一部と九州は91~99と作柄の低下を見込んでいることが分かった。高知、宮崎など早期米栽培地帯には普通期作の作柄見込みを聞いた。農水省が発表した早期栽培の作況指数(8月15日現在)は宮崎85、鹿児島88などとなったが、普通期作も本紙調査では91~96と収量の低下が見込まれている。
農水省が発表した8月15日現在の作柄概況は北海道、東北、北陸などの早場地帯は「平年並み」ないし「やや良」と見込んでいる。6月下旬から7月上旬にかけて一時的な低温等はあったものの、田植期以降おおむね天候に恵まれ、穂数と全もみ数が平年以上に確保されると見込んでいる。登熟も一部地域を除き順調に推移しているとの見込みだ。
また、西日本を中心とした遅場地帯の生育状況については九州等で「やや不良」、その他の地域では「平年並み」で推移していると発表した。九州では6月から7月にかけての低温・日照不足の影響で分げつが抑制されたとしている。
◇ ◇
本紙調査は農水省調査より15日程度経過した時点で実施したものだが、九州等を除きおおむね順調な生育が見込まれている結果となった。
ただ、品質について懸念する声は多い。
調査では「いもち病やカメムシなどによる病害虫の発生」について聞いた。その結果、発生が「ある」との回答は80%で「品質への影響がある」としたのは60%だった。
また、7~8月の猛暑による胴割れ、芯白米の高温障害についても聞いた。結果は「高温障害の心配がある」との回答が70%にのぼった。
9月に入ってから全国で長雨が続き台風も18号が9日に愛知県に上陸したことなどから水稲の作柄への影響が懸念されることから本紙では引き続き現場の調査を行う。
【全国主要米産地のJA調査による作況見込み】
(関連記事)
・【27年産米全国JA調査】JA米担当者の声 (15.09.11)
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日
-
木南晴夏セレクト冷凍パンも販売「パンフェス in ららぽーと横浜2025」に初出店 パンフォーユー2025年9月17日