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【2026年度生乳動向】追加輸入せず 新年度も脱粉対策不可欠か2026年1月28日

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2026年度生乳需給見通しは30日にも公表する。生乳需給緩和が続く中で、年度当初のバター追加輸入は行わない見通しだ。一方で脱脂粉乳の在庫削減対策は引き続き必要な情勢で、Jミルク基金発動は継続する可能性が高い。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)

脱脂粉乳の在庫削減には実効性あるヨーグルト需要拡大策がカギを握る脱脂粉乳の在庫削減には実効性あるヨーグルト需要拡大策がカギを握る

■総選挙下の需給見通し

26年度の生乳需給見通しは、総選挙下の判断となる。特に与野党が拮抗する北海道にとっては、基幹作目の酪農経営を左右する問題だけに、農水省も慎重な判断を迫られる。

北海道は現在、減産計画から脱して生乳生産を進めているが、脱粉の在庫圧力、飲用牛乳の消費低迷が今後の需給見通しに不透明感を増しているのは間違いない。こうした中で、年度当初の乳製品追加輸入は行わない見通しだ。ただ今後の用途別需給によっては、通常のパターンだと5月と9月に再検討する余地も残されている。

ここ数年で農水省が大量のバター追加輸入をしたのは、24年6月26日発表の4000トン(生乳換算約5万トン)。生乳需給緩和下だったが、バター在庫状況と年末クリスマス需要を踏まえた。通常国会閉会直後の追加輸入発表は、国会論戦を避ける政治的配慮を踏まえたとの見方もある。今回も総選挙下での判断となる。

■バター需要をどう見るのか

26年度生乳見通しは、需給緩和下の判断となる。脱粉の過剰在庫に加え、低迷している飲用牛乳の消費がどうなるのか。

乳製品は、脱粉過剰の一方でバター需要が堅調という不均衡が続く。農水省は26年度の輸入対応で、国際約束の現行輸入機会(カレントアクセス)分13万7000トン(生乳換算)以外の追加輸入の有無も示す。問題はバターの需要をどう見るかだ。

Jミルクの最新の需給短信(週単位)で家庭用バター動向を見ると、販売個数は4週連続で前年水準を上回った。2021年秋以来、約4年ぶりのことだ。堅調な家庭需要を示す。

一方で大口需要である業務用バター。2025年6月の値上げ以降も製菓や製パン業者などユーザーの引き合いは堅調な一方で、十分な在庫水準も保っている。半面、外国産バターの相場はこのところ落ち込み、輸入バターと国産バターは同水準を上下している状況だ。輸入バターの割安感が続けば国産需要が輸入物に切り替わる可能性を指摘する見方もある。

■ホクレン道外移出大幅減

生産面では全体の6割近い北海道の動向をどう見るかだ。

2025年12月のホクレン受託乳量は前年度比0・3%増となり、11月に微減した生産が再び増産に転じている。特に懸念されるのが道外移出生乳の落ち込みだ。

用途別生乳販売で飲用等向けは前年比3・7%減。このうち道外移出生乳は5・5%減で3カ月連続、産地パック牛乳は1・9%減と4カ月連続の前年割れ。ホクレンの道外移出苦戦は改正畜安法に伴う非系統の生乳販売拡大の余波もある。その結果、道内の乳製品工場での加工処理が増え、脱粉在庫にも影響を与える。

昨秋以降、北海道の生産の主力となる2歳以上の乳雌牛の頭数は減少に転じた。関東生乳販連が先行して「据え置き」決着となった26年度飲用乳価交渉の結果、全国ベースの飲用牛乳の販売単価と需要動向がどうなるのかも焦点だ。

■Jミルク脱粉在庫対策は継続か

今後の生乳需給動向に関連して、1~3月期で現在進行中のJミルク基金発動に伴う脱粉在庫削減対策を26年度にはどうするかも大きな課題だ。Jミルクでは今後の需給動向や財源も踏まえ最終的に判断するが、4月以降も在庫削減はせざるを得ない方向だ。

Jミルクが25年度設立した需給変動リスク基金は、現在の脱粉在庫累増といった需給緩和期に対応したものだ。だが、初年度からの発動は現在の生乳需給の危機的状況を示す。

乳製品過剰問題は、25年末に決定した2026年度畜酪政策価格・関連対策論議でも大きな問題となった。農水省の畜産部会で日本乳業協会の佐藤雅俊会長(雪印メグミルク社長)は、酪農乳業界の当面の課題で脱粉過剰対策について「十分な基金積み立てを待たずに早期発動せざるを得ない状況となっている」と説明したうえで業界挙げた需給変動対策特別事業継続のために脱粉の飼料用販売に支援を要求した経過もある。

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