【特殊報】ナス、キャベツにトビイロシワアリによる被害 県内で初めて確認 宮崎県2026年1月22日
宮崎県病害虫防除・肥料検査センターは、ナス、キャベツにトビイロシワアリ(Tetramorium tsushimae Emery)による被害を初めて確認。これを受けて、1月20日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第3号を発表した。
宮崎県病害虫防除・肥料検査センターによると2025年10月中旬、県央部の施設ナスほ場および露地キャベツほ場における一部の株でアリの寄生と食害が確認された。採取したアリを農林水産省門司植物防疫所に同定依頼したところ、トビイロシワアリであることが判明した。
トビイロシワアリは屋久島以北の日本各地に分布しており、野外においてごく普通に見られる在来種であるが、時折農作物に被害をもたらすことが報告されている。同種による農作物への被害は、1985年に福岡県で初めて確認されて以降、これまでに22都県において確認。被害作物は、ナス、トマト、キャベツ、ブロッコリー、はくさい、かんきつ、アスター等で、宮崎県における被害確認は初めて。
左から、全体写真、図2:2節の腹柄と前伸腹節刺(提供:宮崎県病害虫防除・肥料検査センター)
働きアリの体長は約2.5mmで、体色は褐色から黒褐色、頭部と胸部に細かい縦じわを持つ。腹柄は2節で、前伸腹節後背部には1対のとげ状の突起(前伸腹節刺)を有する(図1、2)。
開けた草地の石下や草本植物の株元に営巣し、1つの巣に多くの女王アリを有し、雑食性で昆虫等の死骸、植物の種子や甘露等を巣に持ち帰る。国内では、アブラナ科、ナス科作物等への加害報告がある。
株元に土を盛り、地際部の表皮を食害。激しい食害を受けた株は生育不良症状を示し、定植直後などの若い株では萎凋又は枯死することもある(図3~6)。
左から、図3:地際部への食害(ナス)、図4:食害による萎れ症状(ナス)
(提供:宮崎県病害虫防除・肥料検査センター)
左から、図5:地際部への食害(キャベツ)、図6:食害による生育不良(キャベツ、右)
(提供:宮崎県病害虫防除・肥料検査センター)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
2025年12月現在、トビイロシワアリに対して登録のある薬剤はないため、深耕やほ場周辺の除草、灌水による巣の破壊など、物理的・耕種的防除に努める。
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