「うまみは子供の味覚を育てる」 雪印メグミルクが調査2016年3月24日
雪印メグミルク(株)は「味覚と食育に関する意識調査」を実施し、このほど調査結果を取りまとめて公表した。
和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的に注目されているが、同社では従来より和食特有の概念である「うまみ」に着目し、さまざまな調査研究や商品開発を行ってきた。
子供の頃の食経験は、成人してからの嗜好に影響を与えるといわれている。うまみ成分である「かつおだし」を子供の頃に味わっていると、成長後に「かつおだし」を好む傾向につながる、というマウス実験の報告もある。
同社が「うまみ」を中心とした子供の味覚や母親の意識について調査したところ、次のような実態が明らかとなった。
母親が子供の食生活で心がけていることは「規則正しい食事(69.8%)」、「手作り(61.5%)」、「栄養バランス(56.9%)」が上位だったが、「味覚を育てる」ことを心がけていると答えた母親の割合は19.4%と最も低かった。
子供の食生活に関して、良くないとわかっていても母親として直せないことを尋ねたところ、「野菜が少ない(22.8%)」、「食事を急かす(19.9%)」、「ながら食べを容認(19.6%)」が上位だった。食事内容以外に、食事の仕方についても気にしていることが分かった。
「うまみ」のイメージは「おいしい(71.3%)」が圧倒的に多く、次いで「和食(34.0%)」、「奥行きがある(27.0%)」、「やさしい(25.8%)」、「繊細な風味(22.4%)」といった「和」をイメージする言葉が並ぶ。一方「味覚形成に良い(20.9%)」とのイメージを持つ母親も一定数存在している。
「うまみ」と聞いて思いつくものを尋ねると、和食の出汁に関連する回答が多く(2~5割)、野菜や肉などの食材そのものを回答した母親は1割以下だった。うまみ成分を多く含む食材である「チーズ」を思い浮かべた人は5.2%と少数だった。
また「うまみ」は子供の味覚を育てるために必要と考えている母親は多い(73.1%)が、「うまみ」の強い食品を取り入れると回答した人は(4.2%)と低く、「うまみ」が必要と感じてはいるが、実際の食生活では、意識の外に置かれている傾向が解った。
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