薬剤耐性菌研究の寄附講座「AMRSL」麻布大学で開設 Meiji Seika ファルマ2021年12月15日
Meiji Seika ファルマと麻布大学は、産業動物における薬剤耐性(AMR)に関する研究を目的とした寄附講座「AMR Surveillance Laboratory」(AMRSL)を開設した。
AMRSLは、同学獣医学部に設置され、現在医療現場と獣医療現場で問題となっている薬剤耐性菌について、産業動物の疾病および飼育環境を中心に調査を実施。基礎データの蓄積による獣医療への貢献と薬剤耐性抑制のための手法について模索し成果を社会に還元する。
薬剤耐性(AMR)が関与する感染症は、年間70万人の生命を奪っており、世界的な協調行動がなければ2050年までに年間1000万人に達し、その経済コストは100兆米ドルに及ぶと予測されている。また、動物から人へ、人から動物へ伝播可能な人獣共通感染症は、全ての感染症のうち約半数を占めており、医療・獣医療の現場従事者だけでなく、環境や食品を通じて一般社会へ侵入し、国際的に伝播する。
こうした問題については、医師と獣医師らが各々の職域で活動するだけでなく、分野横断的に、人・動物・環境の衛生に関わる方々が連携して取り組む必要がある。
現在、このOne Health Approach(ワンヘルス・アプローチ)という考え方が再認識される社会情勢となっており、獣医療領域における抗菌薬の慎重使用も、薬剤耐性菌の世界的な広がりへの対策として不可欠であるとされている。
AMRSLの開設の意義について、Meijiは以下の通りSDGsに沿って考えている。
(1)産学連携の強みを活かしOne Health Approachを通じた薬剤耐性菌問題解決への貢献(SDGs 3)
(2)産業動物の健康増進、環境保全による安全・安心な畜産物生産への貢献(SDGs 2、12、15)
(3)寄附講座主催セミナーによる大学生・社会人への薬剤耐性菌問題の提起・啓発等教育活動充実への貢献(SDGs 4)
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