養鶏業に多大な損失与える"マレック病"の新規診断法を開発 農研機構2022年6月16日
農研機構は、鶏やウズラなどの家禽に腫瘍を起こし、養鶏産業に多大な経済損失を与えるマレック病の腫瘍細胞を特異的に検出するモノクローナル抗体の作出に成功。抗体を用いた免疫組織化学によるマレック病の新規診断法を確立した。同成果により、これまで技術的に困難だったマレック病の確定診断を正確かつ簡便に実施でき、マレック病の正確な発生状況の把握や疾病予防対策に役立つものと期待される。
マレック病の鶏の解剖所見と免疫組織化学によるMeqの検出。
aは、腫大した肝臓に多数の白斑(腫瘍)が認められる。
bは、マレック病ウイルス感染鶏の肺の腫瘍組織の免疫組織化学写真。
cは、マレック病ウイルスに感染していない鶏の肺の免疫組織化学写真
マレック病は、鶏やウズラなどの家禽に腫瘍(リンパ腫)を発生させ、養鶏産業に多大な経済的損失を与えるウイルス性感染症。有効なワクチンの普及によりマレック病の発生は減ったが、食鳥検査では未だ年間数万羽がマレック病により食用に適さないと判断され廃棄されている。
マレック病の確定診断には、PCR検査等のウイルス感染の有無を検出する検査は有効ではなく、腫瘍組織のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本を顕微鏡で観察する病理組織検査が用いられている。しかし、この方法ではリンパ腫を生じる鶏白血病などの類似
疾病との鑑別が難しいという問題があった。
マレック病の新規診断法のイメージ
農研機構は、マレック病の腫瘍細胞に特異的に発現するタンパク質に対するモノクローナル抗体を作出。これらの抗体を用いた免疫組織化学によりFFPE標本上のマレック病の腫瘍細胞を検出することで、マレック病を正確に診断する手法を確立した。新たな診断法により、特別な機器や熟練の診断技術がなくても、正確で簡便なマレック病の診断が可能になる。この診断法は、国内の家畜保健衛生所や食鳥検査所などで、免疫組織化学によるマレック病の診断法としての利用が期待される。
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