サステナブルな酪農へ 国内初の牛乳生産に関わるCFP算定に着手 明治2023年3月29日
明治は、国内で初めて牛乳生産に関わる「カーボンフットプリント(CFP)」算定を検討し、酪農家の実データに基づき実際の商品におけるCFPの算定に着手した。その結果、原材料の購入・輸送に関わる「上流」の工程が温室効果ガス(GHG)排出量全体の91%にのぼる結果となった。
CFP算定内容
カーボンフットプリント(CFP)は、商品・サービスがつくられてから廃棄されるまでのライフサイクルの各工程で排出されたGHGの排出量を追跡した結果をCO2に換算し、表示すること。商品・サービスの環境負荷を定量的に算定することでサプライチェーン全体の排出量を「見える化」し、削減効果の高いポイントを把握しやすくなる。
同社は、国内で初めて、世界標準に則り、牛乳生産に関わるCFPの算定を酪農家の実データを収集して検討し、実際の商品におけるCFPを算定。同取り組みのポイントは、「国際団体のガイドラインを参考とした算定方式」「酪農家の実データに基づき算定」「国内乳業メーカーでは例をみない日本初の取り組み」の3点となる。
明治の取り組み
今回、算定実施にあたり、同社独自の基準を設けるのではなく、国際基準を基にしたプログラム「EPD」と国際酪農連盟(IDF)が定めた世界基準を参照した。実務上、産業の平均値などのデータベースの数値(2次データ)を用いて推定されることもあるが、自社のサプライチェーンの実績値(1次データ)そのものを収集してのCFP算定がより望ましいとされている。
自社工場でのデータ収集やCFP算定については、これまでの経験が無くかなりの負荷を要するが、さらに、原材料調達分野における実績値の収集は、サプライヤーの情報共有や情報収集の業務負担・ノウハウが求められるため取り組みの難易度が高く、それへの対応が大きな課題となっている。
今回、酪農家の協力のもと、同社担当者と酪農家が密に連携をとり、酪農経営にかかる実データを収集することで、「明治オーガニック牛乳」のCFP算定を実施。その結果、原材料の購入・輸送に関わる「上流」の工程がGHG全体の91%にのぼるという結果となった。
この結果は、世界的に示されている牛乳におけるGHG排出量に近しい結果となったが、同社は「日本の酪農家の実データでの算出」は、日本の酪農家や乳業界にとって今後のGHG排出量の削減の意義を強く感じられる取り組みになったと考えている。
また、同社はCFP算定とともに、酪農・乳業においてGHG排出量削減と経済価値創出を同時に実現する「Jクレジット制度を活用したビジネスモデル」の構築に向けた協業を開始。今後はさらに、酪農の大きな課題である呼気メタンの削減に向けた取り組み、土壌に着目したカーボンファーミングなど、さまざまな角度から酪農家と一体となり、削減へ努力する。
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