「つながろう」から「まもろう」へ新たな挑戦を JA全国女性大会に向けて 女性協・洞口ひろみ会長に聞く(2)2023年1月24日
「つながろう」から「まもろう」へ新たな挑戦を JA全国女性大会に向けて 女性協・洞口ひろみ会長に聞く(1)から続く
子ども食堂を運営 子どもや一人暮らしの高齢者のために
――会長も地域で子ども食堂を運営していますが、改めてそのきっかけや活動の意義などをお聞かせください。
最初はやはり規格外の野菜などが出たときに、捨ててしまうわけにはいかず、かといって自分の家で消費するのも限度があるということもあるなか、ご飯をきちんと食べられない子どもやご飯の用意ができなくなっている老夫婦や高齢の一人暮らしの方などに月1回でもいいから近くの公民館に来ていただけるなら、地元の米や野菜で作った食事を提供しようと始めました。
ただ、コロナ禍で公民館で食べることができなくなったため弁当に切り替えました。また、無料で差し上げるというのはよくないと一律300円いただいています。弁当のほかにフードバンクから提供されている飲み物、お菓子、アイスクリームなども渡しています。
利用者側でも生まれる新たなつながり
弁当は栄養のバランスを考え、しかも季節にあった、たとえば5月ならタケノコご飯にするといった工夫をしています。
名前は「ふれあいカフェ」です。大人から子どもまで集まれる場所にしたいと考えてきました。月に1回ですがおしゃべりのために集まってもらってもいいと思っています。
運営は女性部と福祉委員会が一緒になってやっています。そのほか児童委員、ボランティアの方も関わっています。必ず地域を巻き込むことが大事です。いろいろな立場の人と知り合うことにもなりますから。最初は弁当の注文は公民館で申込書に書いてもらっていたんですが、参加している若い人たちがそれをQRコードにしてくれて、簡単に注文が集計できるようになりました。
利用者の側でも、たとえば隣の家が共働きで親の帰宅が遅いからと弁当を自分の分と一緒に頼み、届けてあげるというつながりも生まれています。
一方で食材を提供する農業者としては農業を持続させるために、たい肥の利用を進めるといった課題があります。肥料価格が高くなっていることもありますが、化学肥料を減らすという、農産物の作り方を変えていく取り組みです。こういう取り組みをし、それを子ども食堂で「今日の野菜はこういう作り方をしました」と伝えていければいいと考えています。
――子ども食堂は、地域の農業の姿を伝える場でもあるわけですね。
そうです。ただ食事を提供するのではなくて農業への理解を広める場でもあるわけです。ですから小さなことですが、有機肥料をもう少し使っていくということを女性部で呼びかけていくことも大事ではないかと思います。
環境保全型農業や生協との連携も女性に期待
――JAへの女性参画など今後の取り組み、JAグループへのメッセージなどがあればお聞かせください。
1人、2人の女性役員では女性の力は発揮できないと思います。4人、5人ぐらいいなければ、女性の声を聞いてJAの事業や活動を考えるということはなかなかならないと思います。女性部の方々は地域とともに活躍することができるのが特権ですから、そういう活動の姿を続けて見せていくことが大事ですね。それから持続可能な地球を守るために、環境保全型農業、有機農業への挑戦も女性に期待したいと思います。
また、生協と連携することで女性部の活動が見えてくるのではないかと考えています。消費者の立場も話を聞いて勉強になるのではないか。それぞれ特徴ある女性の組織・活動と地域でつながっていこうということです。フレッシュミズのみなさんの活動やアイデアにも期待したいと思います。
まだコロナ禍は続きそうですし、物価高騰もありますが、女性にとって楽しく、わくわくするような魅力ある女性組織をめざしたいですね。
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