農業者の所得向上に全力-JAグループトップ2016年7月28日
JA全中の奥野長衛会長ら全国連会長は7月22日に共同記者会見を開き、JAグループの自己改革や政策対応の基本的姿勢として、改めて「農業者の所得を1円でも上げる」目標を強調した。
奥野会長は就任以来、JAグループは「農協の原点」に立ち戻るべきだと強調してきたが、この日もJA自己改革の方向として「1円でも安く生産資材を提供し、1円でも多く農業者の所得を上げること」をJAグループトップ層でも認識を共有したと話した。
これに関連してJA全農の中野吉實経営管理委員会会長は生産資材価格について「たとえば肥料については、どういう肥料をつくれば期待に応えられるのか」、「そういう議論をしないと高い、安いだけではピントが合わないと考えている」と述べ、実際に価格が安い輸入肥料が現場の作業体系に合わなかった事例なども指摘した。
そのうえで肥料の満車直行など「輸送形態を変えながらコストを引き下げていく取り組みを進める」と話した。飼料については海外の穀物生産状況が価格に影響するが、そうした情報も提示しながら「改善できるところはおおいに改善していきたい」と話した。
また、農産物輸出については「努力をしていかなければならないが、米国にはほとんど出せない。非関税障壁をきちんと整理して改善してもらいたい」と政策対応も重要と指摘した。全農の組織形態のあり方については「組織を本当に変えていく必要があるのか、あるいは今のまま伸ばしていってそれでいい結果に持っていけるのではないか、いろいろなことを考えて取り組んでいる」と話した。
JA共済連の市村幸太郎会長は、事業利益の一部を農機具やハウスなどの生産資材への支援を県本部を通じて実施する方針であることを明らかにした。支援の受け皿として全国の設置された県域サポートセンターを挙げた。
農林中央金庫の河野良雄理事長は、融資先である生産資材メーカーに対して金融面からバックアップして「業界がより効率的に生産できれば生産資材価格が下がり農家所得が増える」として「金融面から業界でM&Aが起きるきっかけをつくっていきたい」と積極的姿勢を示した。
政府・与党は秋に向けてTPP関連対策の検討継続12項目を議論していくことなるが、全中の奥野会長はJAグループとしての方針は「8月と9月の理事会でしっかりとした方向性を打ち出していきたい」と述べた。
政策提案の検討項目は▽戦略的な輸出戦略、▽産地の収益力強化、▽畜産酪農の収益性の向上・競争力の強化、▽新たな時代の農業を支える先端技術の普及推進、▽中山間地域の特性や課題をふまえた総合的な対策などとなっている。
(写真)全国連会長の共同記者会見
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