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2016.08.29 
JAの取り組み「見える化」を 生産資材価格引き下げ一覧へ

 JA全中は営農・経済担当の役職員を対象にしたJA営農・経済フォーラムを8月18、19日に横浜市で開いた。営農・経済事業をめぐる情勢やJAによる生産資材引き下げの取り組みなどが報告された。

◆組合員とともに改革

JA営農・経済フォーラム JA全中の大西茂志常務はJAグループが取り組みを進めている営農経済事業を中心にした「創造的自己改革」について「地域でしっかり話し合いJAの中期計画のなかに反映させて実践していこうという、背水の陣の取り組みだ。営農経済事業はいちばんマネジメントが求められる分野。地域の実態に応じた取り組みを」と期待するとともに、9月初旬にJAグループとして明らかにする今後の取り組み方針では自ら実践すべきことと合わせて政策提案や関係業界への要望なども提示していく考えを示した。
 馬場利彦参事は情勢報告と営農経済事業改革の課題などを報告した。信用・共済事業と異なり、営農経済事業は「組合員とともに参加型で数値目標を決めるなどの改革の進め方が必要だ」と強調した。
 地域では担い手経営体の規模拡大が加速化している。JA全中のまとめでは1割の担い手層で全販売金額の7割を占める。ただし、販売金額が大きい農業者ほどJAの事業利用率が低下することが示されている。販売金額700万円以上の農業者では平均利用率を下回る傾向が示されている。たとえば「主な出荷先がJA」との回答は平均では59.4%だが、700万~1000万円層では54.1%に下がる。3000万円以上層では49.7%となっている(農水省「農協の経済事業に関する意識・意向調査結果」平成25年12月)。
 JAには担い手への個別事業対応の強化が急務だが、担い手に出向く専任部署やTACを含む担当者を設置しているJAは40%台にとどまっている。また、新規就農者の募集から定着までの一貫した支援体制が構築されているJAは53%となっている(28年度全中調査など)。ただ、営農経済事業改革の一環として4月には全県域に担い手サポートセンターを設置しており今後の機能発揮が期待されている。


◆改革実施状況 国が調査

 JAの農業関連販売高を伸ばすことも全JAの目標になっている。全中の調査では約66%のJAで新たな取り組みを実施。内容はファマーズマーケットを通じた消費者への直接販売、重点市場の絞り込みや生協・量販店などへの営業活動などとなっている。
 一方、生産資材引き下げの取り組みもJA段階でさまざまに取り組まれている。全中の調査では、仕入・販売段階では「市場価格をふまえた価格交渉」、「ホームセンター等他社の価格・品質の調査分析」など。価格設定では「予約購買による価格メリットの設定」、「大口値引き設定」に多くのJAが取り組んでいることも示された。馬場参事は「組合員にJAの努力を伝えること、見える化が必要だ」と強調した。
 こうしたJA自己改革は工程表を策定し進捗管理することになっている。最新の調査では68%のJAが工程表を策定している。
 また、馬場参事は4月に公表された改正監督指針では、自己改革に関する項目を新設するなど、組合員とJA役職員の徹底した話し合いを行うことや、組合員である農業者から見て経済活動を積極的に行う組織となることなどを求める内容が盛り込まれていることも指摘した。
 また、農水省は農業者やJAに対して自己改革と准組合員の事業利用規制に関する調査を行うことにしているが、その内容も徹底した話し合いと販売・生産資材事業改革への取り組み姿勢を問うものになっているという情勢認識が必要なことも強調した。


◆トータルコスト削減を

 フォーラムではJA全農の神出元一専務がJA全農の事業戦略についても説明した。そのなかで農業者の所得増大のためには生産資材価格の引き下げ方策とともに、生産性向上のための技術開発などを通じたトータルコスト削減の視点と新たな販売事業の重要性などを指摘した。
 そのほか宮城大学の川村保教授が基調講演し、JA秋田しんせい、JA横浜、JAこま野が実践報告をした。


【監督指針の改訂(主な内容)】
I 基本的考え方
 Ⅰ―1―1 監督指針策定の趣旨
(中略)組合は、その事業を行うに当たっては、農業所得の増大に最大限の配慮をすることが求められる...(中略)。
 Ⅱ―3―1 組合員に対する営農・経営支援
(2)実施体制
1.理事が、適切な営農指導や意欲ある農業者に出向く活動の必要性を理解し、組合員とのつながりが強化できる実施体制の整備を行っているか。
2.適切な営農指導や意欲ある農業者へ出向く活動などが実施できるよう業務に精通した人材の配置やそうした高度な専門性を有する人材育成が行われているか。また、そのことを考慮した人事異動が行われるよう配慮されているか。


【農業者への調査項目(抜粋)】
法人協会、指導農業士、農業者向け

1.今般の農協改革を契機に、今後の農産物販売事業の進め方や役員の選び方等について、担い手農業者の方々と徹底した話合いをすすめていますか
2.(中略)農業者の所得向上に向けて、農産物販売事業の見直しを進めていますか
3.(中略)農業者の所得向上に向けて、生産資材購買事業の見直しを進めていますか
4.(中略)農業者の所得向上に向けて、理事の選出方法等の変更を行おうとしていますか
5.あなたの地域のJAで、担い手を理事に登用することについて、どのような状況ですか
※農水省が法人協会・指導農業士会会員に対して実施。この他、県を通じて地域の認定農業者等を抽出

【農協への改革の実施状況調査(抜粋)】
1.(中略)担い手を中心とする組合員とJA役職員の徹底した話合いをすすめていますか
2.(中略)農業者の所得向上に向けて、農産物販売事業の見直しを進めていますか
3.(中略)農業者の所得向上に向けて、生産資材購買事業の見直しを進めていますか
5.(中略)農業者の所得向上に向けて、理事の選出方法等の変更を行う予定ですか
6.改正農協法第7条(旧第8条)は、JAが、農産物を有利に販売したり、生産資材を有利に仕入れるといった取り組みをすすめていただく趣旨ですが、このことに対する貴JA内の理解は進んでいますか

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