JAしまね 金芽米で健康増進へ 東洋ライスと業務提携2017年4月20日
島根県のJAしまねは東洋ライスと業務提携し、金芽米を中心とする「健康長寿しまね」創造をめざした事業に取り組む。農家が生産した米を自家消費用の金芽米に加工し、生産者に食べてもらう。JAと精米業者によるこうした連携は全国でもはじめて。
金芽米は、米の糠(ぬか)の一部を残した米で、精製白米に比べ、人間の自然免疫を活性化させるLPS(リポポリサッカライド)という成分を6倍近く含んでいる。JAしまねでは、東洋ライスとの連携によって、農家が生産した米を金芽米として自家消費用に加工し、県が進めている「健康長寿しまね」創造の運動につなげる。
つまり生産者は、自分の米を金芽米に加工してもらい、引き取って自家用に回すことができる。28年度は50件で5t、29年度100件で25tの加工を計画している。また、今年から、島根県産の米を金芽米に加工し、中国5県でも販売する予定で、29年度の供給は340tを見込む。
19日、締結した協定は包括協定で、金芽米の加工だけでなく、(1)健康フォーラムイベントなど「コメと健康」に関する地域住民への啓蒙活動、(2)島根県米「きぬむすめ」などを東洋ライスに複数年契約で安定供給するなど、幅広い連携内容となっている。
米は、30年産から、行政による生産調整目標の配分がなくなるが、これによってJAしまねは、「健康長寿しまね」の創造をめざして米の価値を見直し、生産農家の意欲の向上を促すとともに、産地と消費地が結びついた取り組みを強化する。同JAは学校給食や病院、福祉介護施設などとの取引拡大も見込んでいる。
金芽米の製造ラインは、今月、同JAやすぎ地区本部の精米センターに新設。同センターは、1996年から東洋ライスのBG無洗米機を導入し、研ぎ汁による水質汚染を防いできた。また同社は、すでに島根県産米を使って金芽米や玄米の表面を覆っている蝋(ろう)層を均一に削除する「金芽ロウカット玄米」を販売しており、これが今回の総括連携協定の下地になった。
(写真)包括連携協定の調印式の臨むJAしまね竹下組合長(左から2人目)と東洋ライスの雑賀慶二代表取締役(同3人目)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日