多様性を尊重し共通の利益を ICA委員・バンセル氏が講演2017年5月26日
フランス協同組合の代表的組織コープ・エフェールの会長でICA(国際協同組合同盟)の委員でもあるジャン=ルイ・バンセル氏は5月26日、東京都中央区大手町のJAビルで講演した。同氏はフランスと欧州の協同組合について報告し、協同組合における多様性の尊重と共通の利益を実現することの重要性を強調。また、「共有経済」の新たな分野を切り開き、「若者とのコンタクトを強めるべきだ」と指摘した。
フランスの協同組合は20世紀初頭、盛んだった消費者協同組合が、スーパーマーケットの台頭を受けて衰退した。1980年代以降、マルチステークホルダー型協同組合、職人協同組合、小売業協同組合などが設立され、コープ・エフェールはそうした協同組合の各セクターの全国組織の上位にある全国中央組織である。
その役割について、協同組合の価値と原則に関して広報し、認知を上げることなどのほか、「異なる協同組合グループのための交流の場であること」を挙げる。特に同国では2014年に「社会的連帯経済法」が成立し、資本主義的な企業モデルと別に、協同組合の新しい形式(「協同・参加組織」、労働者協同組合の法人格など)を模索している。
その上で、取り組むべき課題として「協同組合運動の規模に関わらず、資本主義的な企業モデルが優れたガバナンスの例とされることに抵抗しなければならない」と強調。特に若者や「共有経済」といった新たな分野に向けた取り組みが必要という。
また多様性に関連し、協同組合と政治的信条について、「思想・信条の自由をいうなら一つの信条が絶対ということはありえない。近い関係にある組織や友好組織との同盟が必要だ」と、協同組合・異なるセクター間の連携の必要性を強調。このほかフランスの協同組合の問題として、発展途上国へのアプローチ、大都市との格差が拡大する地方への支援が弱いことを挙げた。
(写真)協同組合・セクター間の連携を強調するバンセル氏
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