支払い余力 前年水準確保 JA共済連通常総代会 決算・新役員など承認2019年7月26日
JA共済連は7月25日、東京都内で通常総代会を開き、平成30年度の事業報告、経営管理委員、監事会監事の補欠選任などを承認した。平成30年度決算は、日本各地で自然災害が多発し、建更の事故共済金の支払額のうち自然災害によるものが約3000億円と、東日本大震災時の約1兆円に次ぐ大きな支払額となったものの、支払い余力(ソルベンシーマージン)は前年水準となり、経営の健全性を確保した。

30年度決算を承認した総代会
総代会のあいさつで、市村幸太郎経営管理委員会会長は、先月発生した山形県沖を震源とする地震や九州地区を中心に被害が発生した記録的な大雨に触れ、被災した組合員・利用者に対し、「一日も早く共済金を支払うことができるよう努める」と被災者への見舞いの言葉を述べた。
また参議院選挙が終わり、今後、農畜産物の市場開放を要求する米国との貿易交渉の加速が懸念されることや、農協改革について、准組合員制度のあり方を考える上で留意される全組合員調査結果の報告が、8月から9月にかけて公表される見通しであることから、「引き続き動向を注視し、JAグループの一員として取り組む」と話した。
さらに、JA共済連では今年度が初年度にあたる3か年計画で、農業経営への一層の貢献や地域の活性化に向けた取り組みの強化を通じ、「新たなJAファンづくりを進める」と決意を述べた。来賓のJA全中の中家徹会長も、こうしたJA共済連の農業や地域を支える取り組みや、同連の支援でJAが共済事業の効率化を進めることへの期待を述べた。
事業報告によると、30年度は、自然災害の多発で危険差収支が前年度から大幅に減少したことなどから、基礎利益は前年度から2902億円減少の4561億円となった。ただし基礎利益中の利差収支は低金利の継続などに伴い減少したものの、これまで実施した責任準備金の特別積立ての効果などから順ざやを確保した。また、これまで積み立ててきた準備金の活用や将来に向けた新規の積み立てを行うことで、経営の健全性を確保した。
主な経営指標をみると、支払い余力(ソルベンシー・マージン)比率は再保険担保額増加の取り組みで巨大災害リスクが減少したことなどから、前年度から39.9ポイント増加の1082.9%となり、ほぼ前年度同水準を確保した。
基礎利益は前年度より減少したが、実質純資産額は責任準備金対応債権などの有価証券などの評価差額が増加したことなどから、前年度から9728億円増加し18兆7736億円となった。
また、直接事業収益は5兆3286億円(同116.5%)、財産運用収益が1兆768億円(同98.9%)となり、一方、直接事業費用は6兆956億円(同123.0%)で経常利益は1530億円(同69.8%)となり、当期剰余金は872億円(同75.9%)だった。
この結果、総資産は58兆992億円(対前年度比99.8%)となり、運用資産は55兆9953億円(同99.9%)となった。また、将来生じうる共済金などの支払に備えて積み立てている責任準備金は51兆3158億円(同99.8%)となった。
新しく選ばれた経営管理委員会委員、理事会役員は次の通り。(敬称略)
【経営管理委員会】
▽委員 澤井實(山梨・梨北農協代表理事会長)、
▽同 杉林啓一(富山・あおば農協代表理事組合長)
▽同 堀勝彦(福岡・直鞍農協代表理事組合長)
▽同 泉義弘(長崎・島原雲仙農協会長理事
【監事会】
▽常勤監事 三間真一(前代表理事専務)。
【理事会】
▽代表理事専務 石戸谷浩徳(前常務理事)
▽常務理事 岩下秀樹(前長野県本部長)
▽同 高橋一成(前全国本部JA支援企画部長)
▽同 早水徹(前全国本部経営企画部長)。
◇ ◆
25日の通常総代会後の記者会見で、柳井二三夫理事長は、30年度は自然災害が相次ぎ、東日本大震災に次ぐ共済金支払額に触れ、「JA共済としての責任を果たすことができた。基礎利益は、低金利の継続などで減少したものの、これまで実施した責任準備金の特別積立の効果などで、順ざやを確保できた。事業環境がどのように変わってもJA共済を将来につなぐ使命がある」と述べた。
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