違いを認め豊かな未来を 協同の組織が横浜で全国集会2019年12月2日
協同組合組織が一堂に会し、情報交換と交流を深める全国集会が11月29、30日、横浜市で開かれた。首都圏を中心に延べ900人が参加。「であう つながる いのち ちがいがおりなす豊かな未来」を共通テーマに、社会、地域で果たすべき協同組合組織の役割についてディスカッションした。
JA神奈川県中央会、神奈川県生活協同組合連合会、日本労働者協働組合ワーカーズ・コレクティブの共同開催で、今年の集会は18回目。神奈川県では各種の協同組合、NPOや公益財団など非営利・協同の価値を有する多くの組織のネットワークが、地域の課題に取り組んでいる。集会ではこうした取り組みの報告をもとに、パネルディスカッションを行ったあと、分科会で意見交換した。
集会では共同代表のJA神奈川県中央会の長嶋喜満代表理事会長が「いま、改めて協同の理念を確認し、違いを受け止め、一人ひとりが人間らしく生きることのできる社会を創造していかなければならない。この集会は実践と、その出会いの庭である。交流を深め、優れた取り組みに学んで欲しい」とあいさつした。
全体会に先立ち、フォトジャーナリストの安田菜津紀氏が「いま『共に生きる』を問う~ファインダー越しのいのち~」で講演。安田氏は東日本大震災で仮設生活を余儀なくされている岩手県の陸前高田市と、ホームグランドであるシリアで厳しい避難生活を強いられている人々を紹介し、「陸前高田の被災地の、その先にシリアがある。国境を越えて共通したものがあり、その痛みが分かる想像力をもって欲しい」と訴えた。
パネルディスカッションでは、特定非営利活動法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事長のペイアン氏、㈱大川印刷代表取締役の大川哲郎氏、㈱創造集団440Hz取締役の山本菜々子氏が、それぞれの団体・組織の取り組み内容を報告。コリアン2世のペイ氏は、ヘイストピーチなどの外国人差別にふれ、「その最大の被害者は子どもたちだ。子どもに、あきらめることをさせない社会をみなさんと一緒につくっていきたい」と述べた。
大川氏は、本業を通じて社会的課題に取り組むという印刷会社を経営。従業員全員参加のボトムアップ型で『SDGs経営計画』を策定したり、再生エネルギー100%達成したりしている。また山本氏は自らの不登校の体験から、フリースクールのシューレ大学に学び、「生きがたさを解体」し、デザインの会社を興した。
2日目の分科会は、「協同組合と社会的連帯経済」「新たなコミュニティを創造する」「里山の役割を見直し、報徳思想を学ぶ」「神奈川の森林、産地酪農から循環経済を考える」など、20のテーマでディスカッションした。
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