「JA改革」で提案 29人が研修成果を発表 JA戦略型中核人材育成2020年2月27日
JA全中は2月20、21日、東京・大手町のJAビルで「第11回JA戦略型中核人材育成研修全国研究発表会」を開いた。この研修はJAの主に30代職員を対象に総合事業体としてのJA経営戦略を学ぶもので、当日は全国から29人が、それぞれJAの特性をふまえたJA改革や、新たなJA事業展開などの提案についてプレゼンテーションを行った。
グループに分かれてディスカッションするJA職員
この研修は、JAの理念や特質を学ぶとともに、マーケティング、組織マネジメント、イノベーション、経営戦略といった経営学を学び、事業戦略の企画・立案・実行ができる「自律創造型の人材」の育成を目的とするもので、平成21年から本格的に実施している。
10年目の前回から、修了レポートの発表に加え修了者・派遣団体・中央会それぞれの立場で、「研修会の学び・気づきを職場でいかに活かすか」「修了者をいかに支援するか」をテーマに、グループ討議の場を設けた。職場での実践を強く意識した内容になっている。
主催者であるJA全中の石堂真弘常務は、マイナス金利の長期化で、JAの経営が厳しくなるなかで、「これをやればJAの経営が成り立つという正解がないなかで、組合員の声を踏まえた創意工夫ある新たな事業モデルが求められている。それを担う野が中核食員で、研修でともった〝改革の火だね〟を大切にして、具体的な取り組みを始めて欲しい」とエールを送った。
また、JA全中の中家徹会長も出席し、ピンチをチャンスに変えるため、対話運動に基づいた組織・経営基盤強化の必要性を強調。自己啓発とホスピタリティの精神の大切さ等について話した。
発表内容をみると、販売力の強化、共済事業の推進体制見直し、ロス野菜の活用、お墓の見守り事業、情報共有システム一元化など、そのテーマは幅広い。その中の一つ、鹿児島県のJA北さつまの折小野健太さんは「エンゲージメント~クレドポイントの挑戦~」で発表。エンゲージメントとは職場への「愛着心」で、JAへのエンゲージメントが希薄になっていることを踏まえ、これにクレドカードに沿った行動をした場合、ポイントとして付与することを提案した。クレドカードとはその組織の理念を記したもので、ポイントを増やすことでエンゲージメントを高めようというもので、参加者の関心を呼んだ。
グループ討議では、JAの中核職員の交流を続け、情報を共有するため、「研修だけではもったいない」、「ネットでの場づくりの必要だ」、「職場に変化の風が感じられる」、「改革にはスピードが求められる」「改革は職員一人ひとりの意識改革から始めるべきだ」などの意見があった。
発表したJA職員は次の通り。
對馬貴宏(JAつがる弘前)、髙橋のぞみ(JAいわて花巻)、操達哉(JA新みやぎ)、伊藤善輝(JAこまち)、鈴木敦(JAさがえ西村山)、安瀬拓哉(JA福島さくら)、磯山栄身(JA常総ひかり)、柳田裕之(JA足利)、大石純子(JA前橋市)、柚木友宏(JA東京みどり)、後藤真也(JAフルーツ山梨)光澤宏二(JAみなみ信州)、今井勇太郎(JA越後ながおか)、鈴木健士(JAいずみ野)、小中啓一(JAたんなん)、中島敏行(JA草津市)、榎本貴文(JA京都市)、山根央二(JA鳥取西部)、江隅寛(JAしまね)、素守竜二(JAまにわ)、佐藤久哉(JA庄原)、池田政悟(JA愛媛たいき)、矢野陽介(JA高知県)、松永洋二(JAさが)、中村圭介(JA長崎県央)、齊籐光弘(JA阿蘇)、植村武(JAおおいた)、八代智秀(JA西都)、折小野健太(JA北さつま)。
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