最優秀賞に松本陽一さん・聡美さん(埼玉県)-第39回全農酪農経営体験発表会2021年11月29日
JA全農が主催する第39回全農酪農経営体験発表会が11月26日に開かれた。6人が発表し、最優秀賞には埼玉県狭山市の松本牧場の松本陽一さん、聡美さんが選ばれた。
最優秀賞受賞の松本陽一さん(前列左から3人目)ほか、関係者のみなさん。
発表会は実参加とオンライン参加のハイブリッドで開かれた。
松本さんは「埼玉県狭山市『松本牧場』における総合的評価 飼料自給率の向上が及ぼす影響」と題して発表した。
松本牧場は1700年代から続く農家で陽一さんで9代目。1969年に祖父が酪農専業に転換した。陽一さんは2005年に就農したが、大学時代に牧場経営を経済性だけでなく、エネルギー、環境負荷、家畜の健康と人間の満足度といった指標で評価する研究を行った。
その結果、飼料の自給率を高めると経済性が高まるだけでなく、環境負荷の軽減と家畜の健康にも貢献することが明らかとなり。就農後はその実践を続けてきた。
現在、34頭の経産牛と15頭の育成牛を父母と妻の4人で飼養している。後継牛は自家育成100%。8.6haの飼料畑で飼料自給率を高める経営をしてきた。「外的要因に左右されない足腰の強い経営をめざした」と松本さん。
牛群検定やゲノム検査を活用し牛群の改良にも取り組む。少ない飼料で効率的に搾乳できる牛を選抜してきたという。
審査員全員一致で最優秀賞に選ばれた。審査委員長の小林信一静岡県立農林環境専門職大学短期大学部生産学科教授は「自給飼料へのこだわりと人、牛、土地のバランスを軸として持続可能な酪農をめざす確固たる経営理念をもとにした経営に感銘を受けた」と講評。30頭規模で所得率30%、1000万円以上の実現は驚異的であり、農地集積による循環型酪農をめざし消臭対策など「都市近郊酪農のモデルになり得る経営」だと評価した。
受賞後、松本さんは「小さい牧場だが家族みんなで働いいる。現状を維持しながらも収益性を上げ、子どもが継いでくれるような経営体をめざしていきたい」と話していた。
その他の発表は以下の通り。
【特別賞 先進技術普及地域貢献賞】
余暇を楽しむ自然体酪農-清水繁勝さん、文子さん(岩手県)
【特別賞 人と牛に優しい経営者賞】
「牛・人・街」にやさしい酪農-藤野和有基さん(福岡県)
【優秀賞】
○地域の高感度な消費者と共に歩む酪農-鈴木昇さん(茨城県)
○新規就農で受け継いだ酪農経営と地域の絆-萱森健太(福井県)
○乳房炎ゼロへの飽くなき探求心-高橋悠さん、彩希さん(高知県)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日