【第6回JA営農指導実践全国大会】(1) 地域農業の未来創る要に JA全中2022年2月25日
JA全中は2月18日、第6回JA営農指導実践全国大会をウェブで開き、全国8地区代表が営農指導の取り組みを発表した。最優秀賞には愛媛県JAおちいまばりの二宮孝文さんが選ばれた。大会は持続可能な地域農業を確立し、農業者の所得増大を実現するため優れた産地振興や技術普及などに取り組んだ営農指導員を表彰、その取り組みを広く紹介し、各地のJA営農指導員のレベル向上とネットワークの構築を図るのが大会の目的だ。
JA全中の中家徹会長は、第29回JA全国大会で持続可能な農業の構築に向けた「次世代総点検運動」を最重点事項として決議したことを挙げ、組合員と地域の将来像を徹底して話し合い、確保すべき組合員数などの目標を定め、自らの手で計画的に次世代を育成していくことがJAにとって不可欠で「営農指導員が最前線で組合員と結びつき必ずや成果を上げてくれると期待する。農業情勢は厳しいがピンチはチャンスでもある」などとあいさつした。
【情勢報告】
JA全中常務理事 肱岡弘典氏
第29回JA全国大会では「持続可能な食料・農業基盤の確立」を重点的に取り組む柱の一つに掲げ、具体策として組合員の参画と意思反映のもとでの地域農業振興計画の策定を通じた「次世代総点検運動」に取り組むことを決議した。
2030年には農業労働力が77万人減少し131万人となる見通しもある中、運動のめざすものは次世代組合員を計画的かつ確実に確保、育成しようというものだ。組合員とともに将来見通しを点検し、組合員数などの目標や、具体的な実践策など血の通った計画を策定することが大切になる。
目標達成に向けて重点施策として「事業承継支援」と「新規就農支援」を位置づけ、アプローチを図るターゲットとJAの担当部署を明確にして個別支援策を実施していく。同時に既存の中核的担い手には部会指導や伴走支援を強化していく。組合員ととともに取り組む主役は営農指導員である。
また、大会決議では組合員参画を支える体制・職員づくりも盛り込んだ。地域営農マネジャー、JA農業経営コンサルタント制度なども新設、キャリアアップをめざしてほしい。農業者の所得向上、農業生産の拡大には営農指導員が要となる。
講演では、東大農学部卒で外資メーカーの研究職を経て、宇都宮市の阿部梨園で農家の経営・業務改善に取り組んできたファームサイド株式会社の佐川友彦氏が営農指導員への期待を語った。
◆ ◆
「親身になる」とは、相手の未来を本人より真剣に考えて提案することだ。こちらが先に考えて与える。そうやって初めて自分のために必要な存在だ、と認められる。
当事者になることも大事。これは相手側から自分の役割を考えて行動すること。外から援護射撃しているだけでは当事者になれない。
なによりも農業経営に精通してほしい。農業経営は総合格闘技のようなもので、いろいろなビジネス理論を学び、仮説を立て検証するなど理論と実践の両方を追求する必要がある。他業界をもっと知る必要もある。
良き伴走者になることも求められるが、それは課題の棚卸しに協力すること。絡み合った課題をほぐし、優先順位をつけてもらうだけでも相手は「分かった」となる。
同時にときには突飛なひらめきや、裏技なども提案には必要になる。課題を解決するには使えるものは何でも使って創作料理を作ることが大事。要はレシピどおりにはいかない。
小さな改善を続けていけば小規模農家にもまだまだポテンシャルはあると考えている。
以下(2)に続く。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日
-
木南晴夏セレクト冷凍パンも販売「パンフェス in ららぽーと横浜2025」に初出店 パンフォーユー2025年9月17日