【ごはん・お米とわたし】作文・図画コン表彰式「自然や農の風景 大切さ伝えたい」2023年1月10日
1976(昭和51)年から開催し今年で47回を迎えた「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールの表彰式が1月7日、東京・平河町のJA共済ビルで開かれた。
コンクールは次世代を担う小中学生に豊かな田園風景や稲作をはじめとした日本農業を身近に感じてもらうコンクールとして実施してきた。
JA全中の菅野孝志副会長は主催者あいさつで「ごはんや米について思いをめぐらせ、家族と食卓を囲む幸せ、自分が暮らす地域や農業について考えることは大切な経験になった思う。作品からはごはんとお米、稲作に対する愛情を感じ心強い」と話し、「農業の価値についてさらに発信していきたい」とあいさつした。
今回の応募点数は作文部門3万3246点、図画部門4万4411点だった。
教育評論家の尾木直樹氏
図画部門の審査会委員長を務める教育評論家の尾木直樹氏は講評で「丁寧な作品が多い」と評価。食料自給率が38%と低いなか「コロナ禍やウクライナ侵攻で食や農業の大切さをみんなが感じているからではないか」といい、作品を見ていると元気が出てくると話した。
茨城県筑西市立古里小学校6年の戸頃結さん
作文部門で内閣総理大臣賞を受賞した茨城県筑西市立古里小学校6年の戸頃結さん(作品名「水田のオーケストラ」)は、1年生のときからこのコンクールに図画と作文を応募してきた。今回は水田から聞こえる四季さまざまなの音を表現した。その田んぼで米づくりをする祖父母が受賞を自分のことのように喜んだといい「感謝したい」と話した。
将来は小学校の体育の先生になりたいという。「体育の楽しさと努力の大切さを伝えたい」。
佐賀県立武雄青陵中学校3年の高森薫さん
図画部門で内閣総理大臣賞を受賞したのは佐賀県立武雄青陵中学校3年の高森薫さん(作品名「みんなで稲刈り」)。
子どもころ親戚が集まった稲刈り風景の記憶を描いた。思い出のアルバムなどを参考に「原色は使わずすべて自分で色を作りました」という。土日の2日間、約8時間で仕上げた。
佐賀県は自然が豊かだが、小さいころにくらべると身近な農地が宅地に変わっていることにも気づく。作品に込めた思いは「身近な自然、農業の風景を大切にしてほしい」だ。
これからも美術は続けるが、ジャーナリストになるのが希望。「現地で何が起きているのか伝えたい」。
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