対話をベースに自己改革実践を トップフォーラム JA全中2023年1月23日
JA全中は1月20日、東京都内で北陸・東海ブロックの「令和4年度大会決議・自己改革実践トップフォーラム」を開いた。

JAグループは2021年10月の第29回JA全国大会で「持続可能な農業・地域共生の未来づくり」を決議し、全国のJAで不断の自己改革に取り組んでいる。また、今年度はすべてのJAで自己改革工程表を決定し「組合員との対話」をベースに自己改革実践サイクルに取り組んでいる。
JA全中の中家徹会長は「今年は大会決議実践期間2年度目であり、自己改革実践サイクルも初年度の取り組み実績をふまえ2度目のサイクルを迎える。JAの実態、組合員の声をふまえた自己改革実践サイクルの取り組みを着実に実践していくことが必要だ」とあいさつした。
フォーラムではJAえちご上越の羽深真一代表理事理事長が「自己改革実践サイクルの取り組み~みんなで拓く「農業」「地域」「組織」の未来~」と題して実践報告した。報告タイトルの副題、「みんなで拓く...」は同JAの第7次中期経営計画で掲げたスローガンである。
農業者の所得増大に向けては、主力の米について高温障害を避けるための適期田植えと土づくりに力を入れ、収量と品質向上を図るとともに、業務用米に力を入れ需要に応じた生産を行ってきた。県全体ではコシヒカリの作付け割合が6割を超えるが、同JA管内では47%に下がり、代わりに「つきあかり」や「にじのきらめき」を増やしている。
また、直売所「上越あるるん村」の開設や、園芸重点品目として「えだまめ」の作付け拡大に取り組んでいる。
2022年から自己改革実践サイクルをスタート。肥料農薬の銘柄集約と共同購入の拡大でコスト低減効果を1袋当たり50円~80円を目標(2024年度)とした。えだまめについては80ha作付けし販売目標を1.4億円とした。売上増加効果を10a当たり4万1800円を見込む。
また、中山間地域が多く生産者が懸命に棚田を維持し生産に取り組んでいることから、棚田米SDGsプロジェクトをスタートさせた。棚田の持つ多面的な機能を実需者や消費者に伝えながら、それを付加価値として生産者の所得増大に結びつけていく。棚田米集荷数量として3.5万俵を目標とし、1俵当たりの加算金も上乗せする。
組合員との対話活動は、2022年度に役員による担い手訪問を300件、職員による訪問は1000人、准組合員懇談会を3回実施するなどを目標としている。
対話運動では組合員からの意見を記録し組合員資格別に分類しながら経営層が共有し、組合員の意向を経営に反映できるように新たな取り組みも始めた。
経営基盤の強化では、取扱い高を重視した経営管理から事業利益ベースを重視した経営管理へと移行した。また、支店ごとに画一的でなく必要な機能へと見直しを行っている。
羽深理事長は収支改善には一定の成果が表れつつあるが、常に改善改良を繰り返す必要性や、情報をいかに集め事業に活かせるか、また、農業法人や多様な担い手、関係団体との連携強化が課題だと話した。

JA北びわこの田中洋輝代表理事理事長は「自己改革の軌跡」と題して実践報告した。
同JAは金融店舗の再編を行う一方で、高齢者など生活弱者への出向く体制とネットバンキングなどキャッシュレス化に取り組んできた。
組合員との対話活動では総代に対しては総代会前に提案資料を事前送付し意見を聞き、JAとしての回答を当日書面で配布しているという。
担い手農家(380人)に対してはTACによる日常的な訪問活動のほか、役員による担い手訪問を毎年7月に実施。営農指導に関するアンケートも実施している。
「准組合員総代」制度を設け、支店ごとに計30人を選出し、研修会や総代会への出席を働きかけている。そのほか「支店ふれあい活性化委員会」による協同活動では准組合員総代もメンバーとなり、感謝祭や支店まつりなどを開いており、農家の高齢化と世代交代で薄らいだ組合員との絆づくりに力を入れている。
農業者の所得増大に向けた取り組みでは、水田野菜(キャベツ、タマネギ)による複合経営の確立、水稲育苗ハウスを有効利用したミニトマト栽培、乾燥籾による施設出荷、フレコンによる米出荷などに取り組んでいる。
とくに小麦から大麦への全面転換が特筆される。小麦の収量が低下したことから大麦への転換を模索、行政と麦茶用大麦の焙煎企業と連携協定を結焙煎工場へ大麦を供給する体制をつくった。農家の生産意欲が高まり品質も向上、管内全域で1億円以上の所得向上を実現した。
また、長浜市は環境保全型農業直接支払交付金の交付額が2020年度で全国トップとなるほど、農家組合員に環境保全型農業が浸透し所得向上につなげてきた。
経営基盤の強化に向けては10年間の経営シミュレーションを実施し、事業利益段階で安定的な黒字を生み出す経営を確立することをめざしている。そのために支店の統廃合や積立て金の取り崩しなどを組合員に理解してもらい、経営改善を行った。
スリムで筋肉質な経営体の実現に向けて遊休資産に活用と処分、経営資源の再配置を断行した。
田中理事長はPDCAによる確実な目標実績管理健全経営の実践と、組織基盤である組合員の加入促進、多様化する組合員との対話を通じたメンバーシップの強化などを課題に挙げた。
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