組合員からの買取販売 6割超 スマート機器活用 5割超 JAの活動実績2023年4月12日
JA全中は「JAグループの活動報告書2022」を3月に発行した。JAの自己改革の成果をまとめている。
出向く体制 JAの8割
農業者のもとに出向き農業経営をサポートする取り組みでは、2022年度で全国の81.1%のJAが担い手のもとに出向く専任部署や担当者を配置している。
営農指導員は約1万6000人。担い手への訪問回数は171万回に達した。
販売事業の実績では、実需者・消費者への直接販売を実施するJAの割合は2018年度は69.5%だったが、2022年度は82.9%まで増えた。また、農畜産物の買取販売に取り組むJAの割合は60.4%となり2018年度から11.8ポイント増えた。輸出に取り組むJAは46.0%となった。
報告書ではJA晴れの国岡山の取り組みを紹介している。同JAでは果実や野菜、米などを県内産地から直売所に社内便で届ける「晴ればれ直行便」を2021年から始めた。桃やブドウは市場を経由せずに直接店舗に配送されるため、新鮮な果実が購入できると消費者に好評だという。直売所の品ぞろえも充実し農業者の所得も向上した。
生産資材 自己取りも
生産コスト低減への取り組みでは、89.7%のJAが「低コスト生産技術の普及」を実施している。「取扱い商品の集約」に取り組むJAは86.2%に達し、2016年度より22.0ポイント増えた。
事例としてJAみやぎ登米を紹介している。同JAでは2017年から「基肥肥料の自己取り」を実施しており、22年は組合員の要望でそれまでの8品目から11品目に拡大した。予約注文した肥料を農家が決められた日に引き取ることで1袋当たり60円値引きし、生産コストの低減につなげている。
ドローン台数 4倍
スマート農業の導入支援や活用に取り組むJAは50.2%で2016年度から22.6ポイント増えた。JAが所有するドローンの台数は2019年度の48台から180台へ4倍近くになった。ドローン研修は202回実施された。
事例として埼玉県のJAほくさいを紹介している。同JAでは農家と行政で研究会を立ち上げ、無人田植え機や自動運転トラクターなどの実演会の開催や、国の補助事業の事務手続きを支援することでスマート農業導入を後押ししている。22年度には14経営体が17台のトラクターなどに自動操舵システムを取り付けた。人工衛星から正確な位置情報を受け取るための基地局も設置された。
労働力不足が深刻化している現場で、雇用労働力確保を支援しているJAの割合は55.2%となっている。2016年度から27ポイント増えた。また、63.3%のJAで農作業受託に取り組んでいる。新規就農者支援には89.4%のJAが取り組み、87.4%のJAが事業承継の支援に取り組んでいる。
福岡県のJA筑前あさくらでは労働力支援プロジェクトを立ち上げ、活動の一つとして短期で働ける人をマッチングする1日農業アプリ「daywork」の普及推進に取り組んでいる。昨年4月からは担い手農家を訪問する際、アプリのダウンロードから利用までサポートしている。
移動購買車 地域のインフラに
販売金額が1億円以上のファーマーズマーケットは739店舗。JAファーマーズマーケットののべ利用者数は約1億5500万人となっている。また、こども食堂へ食材を提供しているJA数は2018年度の37JAから174JAに増えた。
過疎化と高齢化が進んでいる中山間地域のJAを中心に移動購買車の導入を進めている。移動購買車は98JAで導入、年間約110万人となった。
和歌山県のJA紀南では2016年に2台で移動スーパーの運行を開始。その後、組合員の要望に応えて今年3月時点で6台、17ルート、約230拠点まで拡充している。買い物支援にとどまらず、利用者の健康状態の見守りや、災害で主要道路が通行止めになった際の緊急派遣なども実施している。
JA全中の中家徹会長は4月6日の会見で「第29回JA全国大会決議の実践は2年度目を迎えた。大会決議の実践は、全国のJAグループ各組織が、組合員との対話をどう重ねていくかが、大きな鍵を握る。全国各地で創意工夫ある自己改革を着実に進めていく」と決意を新たにした。
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