「接点の強化」や「つながり」を重視 国内生産強化へ 全農 桑田理事長2024年8月1日
JA全農の桑田義文理事長は7月30日の総代会後の記者会見で今後の事業展開について生産者、JAとの「接点の強化」やグループ内外との「つながり」を重視するなど基本的な考え方を語った。
総代会後の記者会見。左から齊藤専務、桑田理事長、安田専務
JA全農は今年度、2025年度からの次期中期計画の策定に取り組む。会見で桑田理事長は、現行中期計画が掲げている「持続可能な農業と食の提供のために、なくてはならない全農であり続ける」というキャッチフレーズは継承することを明らかにし、今後の事業への取り組み姿勢として5つを挙げた。
一つは「接点の強化」。生産者やJA、取引先との対話の場をつくり、全農に求められているニーズを把握し速やかに対応することで「信頼感を高めたい」と話した。
また、「つながる」をキーワードに広くグループ内外との連携することも強調した。単独の事業展開は成功する確率は低くコスト高を招くことは「自明」だと指摘し、不足する機能を外部との連携で補完する考えを示した。
そのほか、競争力の強化も挙げ、「価格だけではない付加価値という競争力」を強調。農業の生産性向上に関わる技術、商品開発力、グループが持つ生産から販売までを支えるインフラ力などで付加価値を向上させ「満足感」を与える事業展開をめざすとした。
4つ目に挙げたのは「人材の創造」。事業を構想し実現できる人材づくりに向け、有用な人材の中途採用も含め「厚みのある人づくりを進めていく」と話した。そのほか、内外との事業連携などには投資も必要となるが、そのために事業の収支改善など「経営の確立」も課題として挙げ、これら5つの実現に向け「一歩づつ取り組む」と話した。
また、食料安全保障の強化などが盛り込まれた食料・農業・農村基本法の改正については、「輸入ありきではなく国内生産が大前提だ」として国や全中と連携して生産基盤強化や販売力強化などに全力を尽すと述べ、適正な価格形成に向けては「改正基本法は生産から消費までの関係者が連携することを求めている」として小売段階の販売業者とのつながりを強める考えを示した。
新任の齊藤良樹専務は販売事業と輸出事業を担当する。「マーケットインの考え方で販売と輸出に取り組み生産者を支援したい」などと語った。
30日の総代会では事業実績とともに剰余金処分案も承認された。出資配当は計画の2%から4%(45億円)に増額して実施し、事業分量配当も昨年度に続き41億円実施する。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日