GH農場評価制度で営農指導員研修 JA晴れの国岡山【JA営農・経済フォーラム】(3)2025年9月24日
8月26日にJA全中が開いた第11回JA営農・経済フォーラムは「営農指導事業機能・体制強化」をテーマとした。岡山県のJA晴れの国岡山は営農指導員強化に向けてGH農場評価制度を導入している。
JA晴れの国岡山の磯田健一常務
2020年に県内8JAが合併したJA晴れの国岡山では2024年度末で179人の営農指導員が組合員の生産から販売までをサポートしている。
しかし、世代交代による力量不足や、大型合併による業務量増加で研修に参加できないなど、営農指導員の弱体化が懸念されていた。
そこで2022年に組合員の営農活動と健全経営を支援するために、知識と技術を習得し、自信を持って組合員を訪問できるよう教育体制を強化するなど営農指導事業・体制強化方針を策定した。
具体的には「よりよい営農活動を土台とする営農指導員の強化」で国際水準GAPをもとにしたGH農場評価制度の導入だ。
営農指導員がGH農場評価員の資格を取得し、評価システムを活用して組合員の営農に対して改善指導などを行う。2022年から3年間のカリキュラムで育成を行っている。研修ではまず評価員養成講習会を受講し、「よりよい農業」のため必要な知識を身につける。多くの生産者が持っていない視点を習得することで生産者を訪問したときに使える武器とする。
研修の内容は土壌・肥料、病害虫管理の知識のほか、補助事業などの制度なども学ぶ。研修期間中も組合員の農場でGH農場評価を実践するが、生産部会のなかにはこの評価を積極的に受けて、よりよい営農への取り組みを進めようという動きも出てきたという。
3年間の研修の最後にはJAトップ層に向けた研修を活かした今後の営農指導とめざす産地づくりなどをプレゼンテーションする。
受講生からは「生産者との会話が増え、新しい提案や部会事業が活性化した」、「JAの課題を改善したことで生産者からの評価が上がった」などの声が聞かれたという。
研修は年12回で3年間続く。そのため研修会の目的について所属長が理解する必要があるため説明にも力を入れている。
今後の課題は、営農指導員強化研修が営農部門だけの取り組みとなっているため目的の一つである部門間連携を意識した取り組みとすることだ。そのためJA全体の仕組みとなるよう本店、他部署(後継者・相続、信用、共済事業など)にも理解を求めていく。
2025年度からの中期計画では27年度に営農経済渉外員を現在の60人から80人、営農指導員は190人から200人に配置することを目標としている。
また、同JAでは営農経済部門の管理職マネジメントの向上にも取り組んでいる。管理職が農家所得や部門収支などで適切な目標を立てて部下を管理する能力を向上させる必要があるとの考えからだ。
参加する部署は営農部、経済部のほか、自己改革や部門間の総合調整を担う総務企画部も加えた。研修では年間の生産数量や取り扱い高などの目標の設定と、それを実現するための人材の配置などの計画の策定などをグループワークも取り入れて行っている。
受講生からは「計画を論理的に立案する方法を知ることができた」、「地域の特性を活かしながらJAを運営するには難易度が高いと思うが、管理職が果たす役割は大きく、やりがいは相当あると感じた」などの声が上がっている。
事例報告した磯田健一常務は「組合員から頼られるJA職員の育成に力を入れていく」と述べた。
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