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目標を鮮明に、協同の闘いを 加藤善正・岩手県生協連会長2015年1月14日

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・「戦後レジームからの脱却」が次々進行する危険性
・「農業・農協改革」「TPP参加」は何をもたらすか
・「地域社会」で果たしている協同組合の実際と展望

 安倍政権による「農業・農協改革」は、家族・小規模農業を基盤とする「戦後農政(レジーム)からの脱却」し、企業・大規模農業へ転換するシナリオであり、生協も含めた協同組合陣営最大関心事だと加藤善正岩手県生協連会長。さらに、新自由主義による競争と格差社会を変え、平和憲法を守り協同組合のロマンと価値が生きる地域社会創生には、協同組合陣営の協同した闘いが「新しく」求められているとした。

◆「戦後レジームからの脱却」が次々進行する危険性

加藤善正・岩手県生協連会長 第1次安倍内閣は「戦後レジームからの脱却」を叫び、教育基本法・国民投票法・防衛省への昇格など戦後体制を変える法的整備をわずか1年の間に強行した。
 第2次安倍内閣はマスコミによる「ねじれ解消・決めれる政治」というキャンペーン(これも極めて高度な策略であったが)と民主党政権の国民の期待を裏切る失政もあり、衆議院・参議院選挙における自公での過半数獲得(1強多弱といわれる国会勢力)と与党的野党の協力もあり、矢継ぎばやに「戦後レジーム」をことごとく打破し変質させてきている。
 特定秘密保護法・集団的自衛権行使の閣議決定・靖国神社参拝と中韓との外交亀裂・積極的平和主義と訪問外交・TPP参加・消費税8%への引き上げ・武器輸出3原則の撤廃・原発再稼動・沖縄の辺野古基地建設・改正国民投票法・いわゆるアベノミクス・教育委員会制度・貧困と格差の拡大・東京一極集中と地方の衰退など、わずか2年間でのこれら政策はこれまでの自民党政権とは異質なものとさえいえる。
 我々の最大関心事である「農業・農協改革」もこうした「戦後レジームからの脱却」の一環であるという認識で捉えなければならない。即ち、家族・小規模農業を基盤とする戦後農政(レジーム)を企業・大規模農業へ転換するシナリオそのものである。
 安倍首相は第1次内閣の法的整備を受けて、病気中断を取り戻すごとく「戦後レジームからの脱却」を急ピッチで仕上げる決意である。その行き着く先はわが国をアメリカに次ぐ「新自由主義大国」「戦争のできる国・軍事大国」へ、国の形そのものを作り変えるという危険な戦略である。
 しかもこれら戦略に基づく安倍政治の多く政策は各種世論調査に示される国民の過半数の反対の声を押し切り、さらには選挙公約(例えばTPP参加など)さえ無視する文字通り「暴走」の観を否めない。マスコミ支配や「丁寧な説明と国民の理解を得て…」という口先きの詭弁を繰り返し、権力者意識をまざまざと見せ付けるやり方が目立つ。
 協同組合陣営でも、こうした安倍首相のやり方を経済成長へ向けての「改革」として評価したり、あれこれの予算措置などを期待する傾向があるが、今日の厳しい「結果」の「原因」を指摘・総括せず、その「危険な本質」にまで辿り着かずに、「淡い期待とすり寄り現象」に迷い込む一部幹部の責任は重大であり、歴史的責任を背負うことになるに違いない。

(写真)
加藤会長

◆「農業・農協改革」「TPP参加」は何をもたらすか

東京・日比谷公園でのTPP反対全国集会 12月16日、福島市で開催された「絆シンポジウム 2014『真の農協改革と協同組合の価値を福島から発信!』」(主催・地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会)は、極めて意義のある集会で内容も優れたものであった。基調講演をされた大田原高昭氏、講演1の石田正昭氏、講演2の北川太一氏の豪華講師陣はもとより、パネルでの農協・漁協・森林組合・生協の県連会長のコメントも実にこれからの運動に対する福島からの発信に相応しいものであった。JA全中の福園昭宏氏の情勢報告、このシンポの企画責任者であった福大の小山良太教授の趣旨説明やコーデネートも参加者を惹きつけ、6時間の長さを感じないものであった。
 その内容は安倍内閣の「農業・農協改革」という危険な本質を抉り出し、これら攻撃との闘いのためには妥協せずに協同組合陣営が力を合わせて、地域社会の創生のために更なる邁進を図ることを誓い合った。
 JA全中が発表した「自己改革案」は財界や官邸の理不尽ともいえる攻撃に対する「必要以上の対応策」という色彩が強く、協同組合の理念・原則に立って日本における農協陣営や各種協同組合の実践、地域社会で果たしている実績を盾に反論すべきである。その貴重な運動にける組合員や国民の視座からの実践上・理論上の幾つかの弱さに対しても真摯に向きあう必要性を指摘する意見もあった。
 さて、この小稿で触れたいのは、財界や官邸の謂れのない農協攻撃やTPP参加による打撃が不幸にも進行した場合、日本の中山間地をはじめとする恵まれない地方・地域社会における影響の大きさについてである。農協だけでなく地域社会にける漁協・生協・森林組合などの協同組合運動も大きな困難を抱えている中で、JA中央会機能の後退、全農の株式会社化(独禁法の適用)、信用事業の分離、企業の本格的な農業参入により、全国のJA運動の衰退、とりわけ中山間地JAの経営危機が進むといかなる事態が予測されるか、この「想像力」が求められているのである。
 日本の中山間地は耕作面積の4割、農業産出額の3割を占めている状況からも、過疎化・高齢化・雇用・限界集落・耕作放棄地・食料自給率・治山治水や自然景観維持など、どれをとっても深刻な事態が一挙に進行することは間違いない。
 地域社会も地域経済も地方自治体(社会保障の主体)も急速に崩壊し、持続可能な国土建設など夢のまた夢に終わる。

(写真)
協同組合組織が中心となり展開しているTPP反対運動(東京・日比谷公園での全国集会のようす)

◆「地域社会」で果たしている協同組合の実際と展望

福岡・JA糸島の「伊都菜々」 「戦後レジーム」の基本は日本国憲法の「平和主義・国民主権・基本的人権保障」という3大原則の下、「経済民主主義」を広げ定着させ格差や貧困を少なくする平等社会、競争よりも共存共栄や自然や環境との調和を図る持続可能な地域社会の建設であった。とりわけ地域社会や地域コミュニティの創生における協同組合陣営の果たしてきた実績は極めて大きなものであった。
 我々生活協同組合運動においても、60年代の高度経済成長時代においては、危険な食品添加物の排除・食の安全安心・インフレと値上げ反対・公害などの闘いにおいて、急増する都市の住宅地の住民・消費者の参加と協同が広がった。
 70年代の「市民生協」の相次ぐ設立と家庭班を中心とする共同購入や新興住宅地での店舗開発など、運動と事業の一体的展開は、わが国における協同組合原則の推進役を果たし、世界的にも高く評価された。
 その後生協陣営は日本生協連の事業経営偏重主義の影響もあり、組合員の参画や社会的運動が後退しているとはいえ、地域購買生協の組合員数は2015万名を超え、住民の36%が加入する日本最大の組織となっている。事業分野も購買・共済・福祉・医療・大学など幅広く展開し、都市部だけでなく地方ほどその影響力は大きく、被災地や買い物難民へ対応、高齢者の見回り活動など自治体の期待も大きく、地方ではいまや生協なくして地域社会が成り立たないともいえる状況が作られてきている。
 農協・漁協などとの産消提携(産直)運動も質的・量的に発展し、COOP商品における地場産業との提携も強まり、地域経済に果たしている役割は年々重要になっている。 生協だけではないが「東日本大震災・原発事故」被災者に対する支援活動は、「相互扶助」の精神を活かし全国的な協同組合陣営の今後も続く誇るべき実践であった。被災地の生協として痛感し感謝に耐えない。
 JAの実践は農村地域だけでなく、地方においては関連産業や準組合員のくらし、最近は過疎地や高齢者の多い地域でのライフラインとして地域住民の評価が増大している。
 漁協も厳しい水産業界の中で中核的役割を果たし、「コモンズ」としての海の活用に当たっては、文字通り漁協なくしては地域社会が成り立たない。また、「和食」における水産物の果たす役割も大きく、国民の豊かな食文化と健康を支えている。
 森林組合も国土の67%が山林であり、しかも急斜面の多い日本の国土の特徴からも治山治水など、その果たしている役割は極めて特筆すべきである。地球温暖化やその影響でもある異常気象が多発する中で、森林の果たす役割はますます大きくなっている。完全自由化のもとで厳しい林業の再生産が持続的な社会の創生に不可欠な存在である。
 安倍内閣の「戦後レジームからの脱却」政治にストップをかけ、新自由主義による競争と格差、金の力と弱肉強食が支配する社会を変えて、平和憲法を守り協同組合のロマンと価値が生きる地域社会を創生するためには、協同組合陣営の協同した闘いが「新しく」求められている。
 具体的には、こうした協同組合が目指す地域社会を相互に話し合い、共通の目標を鮮明にして、これまでの「枠」を超えた事業上の協同の取り組み、運動場の共通の課題と提携(TPP運動はその一里塚となるし、平和や社会保障・福祉、人権問題なども視野に入れて)が構築される必要がある。
 「協同組合がよりよい社会を創る」「地方創生の主役は協同組合」の実践である。

(写真)
全国各地で生産者と消費者を結ぶファーマーズマーケットに多くの人が集まる(写真は福岡・JA糸島の「伊都菜々」)


【著者 略歴】
かとう・よしまさ
昭和15年北海道生れ。35年岩手大学農学部林学科入学(中退)。42年岩手大学生協専務、45年盛岡市民生協専務、平成2年いわて生協専務、10年理事長、16年常任顧問、平成4?14年コープ東北サンネット理事長、昭和56年県生協運専務、平成10年会長理事現在に至る。
平成10年県協同組合提携協幹副会長、平成11年いわてコメネット副会長、平成15年岩手農民大学副学長、16年地産地消県協同組合協議会会長。

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