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JAの活動:JA 人と事業2015

【JA 人と事業2015】砂川博紀・ JAおきなわ代表理事理事長 1県1JAで組織・経営基盤確立2015年11月11日

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島と国境守る沖縄農業
・「合併してよかった」
・TPPは壊国の協定
・アジアへの輸出も

 TPP(環太平洋連携協定)はサトウキビ、肉用牛・養豚をメインとする沖縄の農業に大きな影響を与える恐れがある。JAおきなわは平成14年に1県1JAとなってから13年を迎える。組織・経営基盤を確かなものとし、農業・地域振興でも、畜産・園芸を中心に着実な成果を挙げている。同JAの砂川博紀理事長に聞いた。

島と国境守る沖縄農業

◆「合併してよかった」

砂川博紀・ JAおきなわ代表理事理事長 ――1県1JAの効果はどのようなところに現れていますか。また組合員の評価はどうですか。

 砂川 組合員からは「合併してよかった」という声が聞かれます。合併前は27JAあり、そのうち3分の1が債務超過、同じく3分の1が限りなく債務超過に近く、健全なのは3分の1でした。
 このため、多くの農協では農業関連施設の更新や、新しい事業ができず、生産者は困っていました。しかし合併によって体力をつけ、沖縄の主要産業であるサトウキビの製糖工場の増設や新設等を行うことができました。10か所の大規模なファーマーズマーケットがありますが、農産物の集出荷場なども含め、こうした農業施設を適切な場所と規模でつくることができるようになりました。
 台風の常襲地帯である沖縄は、防災営農体系の確立が大きな課題ですが、風に強いハウスを増設しました。沖縄独特の補助金である沖縄振興一括交付金を使い、ハウスの建設を続けています。この交付金は8割補助で、農協が事業主体となり毎年約25haのペースで増設しています。24年から3年で68haのハウスが新しく誕生しました。
 次いで園芸と中心とした農産物の本土出荷を拡大しました。一括交付金に、本土の鹿児島と運送条件を同じにする補助があり、これを利用しています。この農産物の7割をJAおきなわが扱っています。そしてファーマーズマーケットです。10か所の直売所で会員は1万人を超え、売上げは70億円近くになります。
 また農協の組織対策にも力を入れています。高齢化に伴い、次世代対策として、特に女性部員の組合員化を進めてきました。現在、女性の組合員が2万9000人で、全組合員の22%を占めます。目標はこれを30%にすることです。また女性の総代は12%82人ですが、これを15%にアップする方針です。
 政府は農協改革で、農協は経済事業をおろそかにしていると批判しています。しかしJAおきなわに関してはそのようなことは絶対になく、組合員から頼られ、信頼される事業を展開していると自負しています。


◆TPPは壊国の協定

 ――苦しい再建期を乗り越え、事業改革に取り組んでおられますが、今回のTPP大筋合意は沖縄の農業にどのような影響が考えられますか。

 砂川 沖縄の農業はサトウキビを基幹作物とし、牛・豚等の畜産と花卉や青果物等の園芸品目が主力です。TPPはこの主力品目に大きな打撃を与えるのではと心配しています。
 砂糖については、糖価調整制度は維持されたものの、加糖調製品(分糖率が約90%の加糖ココア粉等)の関税が50%~0%に引き下げられるので加糖調製品の輸入量が増える恐れがあります。砂糖の国内生産量は68~70万tで、自給率は約3割。7割(127万t)の輸入粗糖に36~40円/kgの調整金を徴求し、それを財源としてサトウキビ価格が維持されています。平成26年産のサトウキビ農家手取額は2万1767円/tで、うち交付金(調整金が財源)は1万6420円/tであり、交付金なしでは沖縄のサトウキビ生産は成り立ちません。
 TPP大筋合意で、いま直ちに沖縄の農業に影響が出るわけではないかも知れませんが、これは政府の唱えている地方創生には逆行するものではないでしょうか。来年の国会に対し、批准に反対すると同時に、国に対して国内対策をしっかりやるよう求め、われわれも再生産が可能で、生産者が意欲をもてる農業の実現に努めなければなりません。
 批准反対であれ、国内対策であれ、残された時間は短く、今すぐにでも取り組まなければならないと思います。JAでも対策本部を立ち上げて検討しています。
 サトウキビについて、沖縄には特別の思いがあります。沖縄には160の島があり、そのうち49に人が住んでいます。その半分以上はサトウキビを栽培しており、サトウキビは島を守り、国境を守っているのです。このことは県も県民もよく理解しています。

 ――JAの自己改革にはどのような取り組みをしていますか。

 砂川 政府の農協改革では准組合員がターゲットになっていますが、とんでもないことです。准組合員だから利用規制することは理解できません。政府は利用実態を調査するといいますが、どういう調査するのでしょうか。はっきりしません。
 農協法の改正に伴う付帯決議にもありますが、われわれの主張は、この問題を准組合員の数で判断しないようにしてほしいということです。JAおきなわでは、准組合員の意思反映を支店運営委員会等で、ちゃんとやっています。
 もっとも准組合員は都市地区に多く、信用事業を利用するために加盟して、他の事業は利用しないという実態はあります。しかし、その地域で生活していく上で必要なインフラはJAが用意しています。准組合員や地域に住む人々がJAの事業に幅広く参加できるよう、意識的に取り組んでいます。
 組合員との関係を強めるため昨年から毎月1回、役職員全員による、組合員訪問を行っています。これは農協改革の准組合員問題と関係なく、実施しているものです。このほか政府は、農業振興についていろいろ指摘していますが、JAおきなわでは合併以来、当然のこととして取り組んできました。


◆アジアへの輸出も

 ――農産物の輸出にも力を入れていますね。

 砂川 平成22年のJA沖縄大会で農産物輸出に取り組むことを決議しました。ターゲットは東南アジア、特に香港、シンガポールですが、なかなか向こうの求めるものが準備できないのが実態です。
 県外出荷は、その7、8割が園芸品目です。特に本土向けでは秋冬季の園芸作物が有力です。ただ、マンゴや紅イモ、園芸以外では和牛や黒糖など、品目によっては輸出も視野に入れて拡大していく必要があると考えています。

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