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【覚醒】JAらしい新基軸示せ2016年11月16日

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K・F

 政敵を抵抗勢力に仕立て上げて選挙に勝つのは、劇場型政治と言われる。今回の東京都知事選挙で、小池百合子氏が同じ手法をとって圧勝しました。小泉政権が掲げた最大の政策は郵政の民営化でした。民営化を進める小泉首相は当時最大の政治勢力であった特定郵便局長でつくる「大樹の会」を守旧派・抵抗勢力と位置付け、徹底したせん滅作戦に出ました。選挙区ごとに対立候補を立てて政敵を落選に追い込みました。この結果多くの自民党有力議員が落選し、また党外に追いやられました。
 今回の政府による農協改革も、かつての郵政改革に例えられます。国民の期待が大きい自民党農林部会長の小泉進次郎氏も父親に倣った政治手法をとっています。就任早々、小泉氏は国家予算に匹敵する資金規模を持つ農林中金は農業金融の仕事をしていないので無用の存在だと声高に発言して耳目を集めました。
 次いで全農が扱う農業生産資材の価格が高いことを問題にし、これを突破口にして株式会社化などのさらなる改革を迫る構えです。今後も小泉氏および政府官邸は同じ手法を持って農協改革を進めて行くでしょう。こうした劇場型政治に対してわれわれはどのように対処すべきか。

□   ■

 劇場型政治手法はポピュリズムと言われ、蔑まされるが、一方でその中には真実も含まれています。その最たるものは政治力を使った自らの事業拡大です。郵政改革はこの点を突かれ、郵便配達、郵貯、保険で他事業とイコールフッテイングではないと指弾されました。これに対して郵政当局は、郵便配達のついでに貯金や保険を進める事業モデルは利用者の利便性、事業の効率性から利用者のためになっており、3事業の分割は行うべきではないと主張すべきでしたが、そうはできませんでした。このため一方的に分割が断行されました。
 JAグループはこうした戦略に引っかからないように注意深く対応を進めて行くことが必要です。そのためには、JAはただ逃げ回っているだけではだめで、農業振興のためには総合JAの姿が欠かせないことを准組合員、地域住民、国民に広く訴え、政治を動かして行くことが重要です。
 注意すべきは、JAは組織維持のためではなく、農業者の農業所得の増大は当然として農業振興という公共利益の実現のために総合事業体として存在していることを主張することです。
 それには、「すみません、今後は農業振興に力を入れて行きます」と言った程度の政府迎合の姿勢ではなく、自ら抜本的な農業振興方策や准組合員対策の確立など、時代が求める協同組合としての新機軸を打ち出して行くことが求められています。

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