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シリーズ:今さら聞けない営農情報

2019.06.07 
【今さら聞けない営農情報】第7回 作物が健康に生育するために必要なもの一覧へ

 作物が健全に生育していくためには、いくつかのものが必要になります。農業は自然を相手にする産業ですから、光や水など天の恵みに頼らなければならない面が大きいことは間違いありません。
 ところが、この必要条件の中でも人知がおよぶ部分もあります。より豊かな収穫を得るには、この人知がおよぶ部分をいかに工夫するかにかかっています。
 まずは、作物が健康に生育するために必要な主なものは、光、水、空気、温度、養分の5つであり、これらが農作物の生育に必要な分だけ揃っていれば、作物は順調に生育することができます。

1.光

 作物は、太陽光を葉っぱに浴びて光合成し、光合成によってエネルギーをつくり栄養を蓄えていきます。そのため、日照時間が不足したりすると、収量が落ちたり、実の充実が不足し、品質も低下してしまいます。特に、近年の異常気象により雨や曇天が続くと、日照が減り、作況に大きく影響します。もちろん、電照という日照不足を補う手もあるにはありますが、植物工場や施設での高付加価値作物でないとコストを賄うことができません。毎年、日照が十分でありますことを祈るばかりです。

 
 
2.水

 作物は水が無くては生育できません。養分を根から吸い上げるにも、光合成を行うにも、作物体の細胞1つ1つを維持するにも全て水が必要です。まさに命の水です。農業用水は、主に川やため池等から供給されますが、雨量が少なかったり、積雪が少なかったりすると水不足に陥ります。
 逆に集中豪雨などで多すぎるとせっかく育った作物が流されたりして被害をこうむります。水についても、人知が及ばない部分が多いものです。
 また、供給される水質にも気を配る必要があります。例えば、何らかの理由で有害物が含まれた水が供給される場合があります。こういった時には、このような水を使わないといった人為的な対応が必要になります。

 
 
3.空気

 作物は昼の間、二酸化炭素を吸って光合成し、酸素を放出します。その反対に夜は酸素を吸って呼吸し、二酸化炭素を放出します。作物の場合は、実は根っこが健全に育つためには、土壌中に適度な空気が必要です。
 通気性の悪い土壌では根の生育が悪く、結果として地上部の生育も悪くなるのです。このように、空気も作物が生育するためには不可欠なものです。

 

4.温度

 作物の生育には適度な温度が必要です。適温より低いと生育が悪くなったり、花芽の分化が悪くなったりと、作物の品質・収量に大きな影響を与え、出荷時期が遅れ、経営に大きなダメージを与えます。ハウス等であれば加温という手もありますが、露地の場合は防ぐ手立てが無いか、あったとしても大変なコストがかかりますので、実質お手上げの状態になってしまいます。温度についても、人間ではどうしようもないものですね。

 

5.養分

 作物が育つには窒素、リン酸、カリの3要素を始め、鉄や苦土など様々な栄養素が必要になります。この養分だけは、人間の力で作物に影響を与え、豊かな収穫に結びつけることができるものです。土壌分析をして、ほ場の地力を正確に把握し、作物を育てるのに必要な要素を補給してあげることができます。また、土壌の腐植が足りなければ、堆肥や土壌改良材を施用して土壌改良することができます。
 このように、植物の健全な生育に必要なもの5つのうち、養分だけは人間の力で何とかできるものなのです。だからこそ、土づくりをはじめとした、ほ場の栄養管理を積極的に行っていきたいものです。

 

6.その他のもの

 以上5つの他にも実は、作物を健康に生育させるために気を付けなければならないものがあります。それは、土壌中の有害物です。作物の健康に影響するような物質がほ場の中に入らないよう、またあることがわかれば取り除く必要があります。有害物が何であるかわかれば、対処に仕方があるので、これも人間の力で何とかできるものです。
 豊かな収穫のためにも、人間の力が及ぶものには最大の努力を行いたいものですね。

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