JAの活動:今さら聞けない営農情報
GAPと記録【今さら聞けない営農情報】第58回2020年7月3日
GAPとは、環境的、経済社会にバランスの取れた持続可能な農業を行うことにより、結果として安全で良質な食用及び非食用の農産物をもたらすことを目的にしています。
国連食糧農業機関 (FAO)のGAP定義によれば、農業による環境汚染の防止(肥料による湖や河川・地下水の汚染防止、農薬など)、労働者の保護、家畜福祉、労働者の保護(農業機械の安全な取扱い、良好な作業環境確保など)、安全な農産物の生産(農薬残留のリスク低減、作業所衛生確保的な収穫・調整など) 、農場(事業者)としての責務(作業記録・出荷の保管、緊急対応マニュアルなど)に取り組むことです。
これら、目的を果たすために必要なのが、農業者が正しく行った作業を正しく記録しておくことです。
肥料や農薬の使用記録を始め、播種とか、移植とかといった作業全般、出荷に関する記録(どの圃場からどれだけの量の農作物を収穫したか、出荷調整作業の場所・数、どこにどの作物をどれだけ出荷したかなど)など、GAPの要件で記録を残すものが決まっています。
特に、農薬の使用など法律に従って行わなければならないものなどは、法令順守の記録を残しておかないと、万が一事故があった場合に追跡できず、損害や責任が大きくなってしまう可能性があるので重要です。
これらの一連の記録は面倒なようですが、もし、何か事故等があった場合には、原因の究明に役立ちますし、問題があった部分に関係するものだけに対処できたりと、被害対応を速やかに、かつ最小限の被害に抑えることができるようになります。
このように、記録を取るという行為は、農業者自身の正しさを証明し、損害を最小限に抑えることが可能となり、作業記録の見直しで作業を効率化できるなど様々なメリットが出る重要な業務だといえます。
このため、GAPでは記録をきちんと残しているかを重要視し、認証審査でも重点的に確認されます。
ただ、実際の営農を考えると、記録は認証を取るためというよりも、自分自身の営農に役立つものですので、GAP認証の有無にかかわらず、全ての農家に行って頂きたいものです。
もし、あまり記録をとっていないような場合は、まずは日々の記録を残す習慣づけをしてみてはいかがでしょうか?
それを見直すことで、自身の営農の課題などが見えてくると思います。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日