JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは37【今さら聞けない営農情報】第156回2022年7月2日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっています。有機農業に取り組むあるいは拡大するためには、有機農業についてよく理解する必要があり、本稿では、その大元となる有機JAS規格について解説しています。過去3回(N0.137、No.138、No.139)に渡り、別表2の有機栽培で使用できる農薬等資材の概略をご紹介しました。現在、別表2で示された資材を使用する際の留意点を、別表2に掲載されている順番に沿って連番で紹介しています。
28.燐酸第二鉄粒剤
天然成分である燐酸第二鉄は、ナメクジ類やカタツムリ類、スクミリンゴガイなどの軟体動物を殺す作用を示します。燐酸第二鉄は、軟体動物の消化器官に異常を起こさせ、速やかに食欲を無くさせます。そして、軟体動物の体内に活性酸素が多く発生することにより内臓機能が破壊され、死に至ります。なので、食害を速やかに止め、死に至らせるダブルの効果を発揮します。この作用を利用して、近年発生が多い、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除にも多く使用されています。(スクミンブルー、スクミンベイト3など) ナメクジやカタツムリ向けにはスラゴやナメトールといった製品があります。これらの製剤はいずれも粒状で、軟体動物が好む穀粉などに有効成分を加えて固めたものが多く、粒剤に軟体動物を誘引して摂食させて効果を発揮します。
29.炭酸水素カリウム水溶剤
麦や果樹、野菜類、花卉類に発生する、うどんこ病や灰色かび病などに即効的な治療効果を示します。散布液に含まれるカリウムイオンが病原菌の細胞に取り込まれ、細胞内のイオンバランスを崩すことで機能障害を起こさせ細胞を死滅させます。このため、病原菌に直接かかるように散布する必要があります。予防効果は無いので、病斑が少ない発生の初期に病斑をめがけて散布します。発生が多い時には、散布間隔を短くして、新しい病斑が出たら都度散布するようにします。作物によって対象病害が違うので、製品のラベルをよく確認して下さい。商品名は、カリグリーンで、この製品はカリ肥料としての登録もあり、カリウム欠乏症対策で葉面散布にも使用できます。
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