JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌改良材(3)【今さら聞けない営農情報】第222回2023年10月28日
みどりの食料システム法が施行され、国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、特に有機質資材の活用に期待が高まっています。
いうまでもなく、作物が育つためには、光、温度、水、空気の他、土壌から栄養素を吸収する必要があります。この栄養を供給する土壌の良し悪しが、農作物の品質や収量を左右しますので、作物の生育に適した土づくりが必要になります。
そのためには、土壌診断を実施して土壌の状態を正確に把握した上で、栄養素の過不足を調整したり、土壌の物理性や化学性、生物性の改善作業を行う必要があります。
その土づくりで大きな力を発揮するのが土壌改良資材ですが、その使用目的は、土壌の物理性改善、生物性改善、化学性改善が主で、現在、土づくり肥料の特性や使い方を紹介しています。
今回は、ようりん(溶燐)です。
ようりんは、原料のリン鉱石とマグネシウム・ケイ酸含有鉱さいを1,400度~1,500度で熔解させ、水で急冷してつくります。また、これらの原料にマンガン鉱石とホウ素含有鉱石を加えて同様に製造するのがBMようりんで、ようりんに微量元素のマンガンとホウ素が添加されたものになります。
ようりん、BMようりんともに、肥料成分は水に溶けにくく、弱酸に溶けるク熔性で、ゆっくりと効く緩効性肥料です。水分や温度による成分の変質はなく、土壌に混和されることで、土壌中の弱い酸に溶けて肥料効果を発揮します。
弱アルカリ性であり、土壌の酸性矯正に使用され、リン酸のほか、作物の生育を良好にするカルシウムやマグネシウムなどの副成分を含み、加えて有機物の分解を促進することから地力を高め、肥料効果を増進する効果があります。
また、カドミウムなど有害な重金属の吸収を抑制する効果があるため、汚染された土壌の改良にも役立ちます。
施用は、作物や土壌の種類によって増減し、全面または溝施用します。水稲では、収穫後か春の代かき前に使用するとより良い効果が得られます。施用量は、土壌診断結果に基づき、指導機関から出されている作物別の基準に従って決定して下さい。
◇ ◇
本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。
重要な記事
最新の記事
-
主食用多収品種の「にじのきらめき」が人気になる理由【熊野孝文・米マーケット情報】2024年4月30日
-
令和6年春の叙勲 5人が受章(農水省関係)2024年4月29日
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(1)2024年4月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(8)【防除学習帖】 第247回2024年4月27日
-
土壌診断の基礎知識(17)【今さら聞けない営農情報】第247回2024年4月27日
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日