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JAの活動:今さら聞けない営農情報

土壌診断の基礎知識(21)【今さら聞けない営農情報】第251回2024年5月25日

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みどりの食料システム法の施行によって国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収しますが、作物が健全に生育するには土壌の健康状態を正確に把握することが必要で、そのために土壌診断があります。現在、本稿では土壌診断を実施して土壌の状態を知り、正しい処方箋をつくるために必要な土壌診断の基礎知識を紹介しています。

現在、土壌診断項目別に改良方法の基礎知識をご紹介しており、今回は、腐植の改良方法です。

以前ご紹介したように、腐植とは土壌に含まれる有機物のことで、土壌の良し悪しを図る重要な指標でもあり、土壌の物理性や化学性、生物性を良好にするために必要不可欠な物質です。

土壌中の有機物は、時間の経過とともに分解されて無機物と変化し、作物の栄養として利用されていきながら減少していきます。その減少のスピードは、気温が上昇したり、耕耘などによって土壌中への酸素の供給が多くなると有機物分解微生物の活動が活発になって早くなり、それに伴って土壌中の腐植(有機質)はどんどん減少してしまいます。腐植が減少すると、土壌の地力が低下する他、土壌の化学性や物理性などが徐々に作物の生育にとって不適な状態になったりして、作物の生育に影響を与えるようになります。こうなる前に、土壌中に一定量の腐植を保つように有機物を定期的に補ってやる必要があります。ただし、有機物を施用したらすぐに土壌中の腐植含量が上がるものではなく、一度に施用できる有機物量には限界があります。一気に堆肥などの有機物を大量に施用すると、養分過剰となって窒素過剰やリン酸過剰を引き起こしたり、余剰窒素の流亡による河川等の富栄養化を引き起こしたりと土壌や環境に悪影響を及ぼしますので、腐植を改良するには、有機物を毎年補給し長年蓄積させることが必要なのです。

腐植(有機物)を補うためには、堆肥や腐植酸質資材などがありますが、堆肥が利用するのが一般的です。堆肥には牛ふん堆肥、豚ふん堆肥、鶏ふん堆肥など原料によって種類がありますので、用途や入手経路などを考慮して施用します。いずれにしても、毎年施用するなどの継続施用が重要ですので、安定して入手できる資材を選ぶのが肝要です。

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本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。

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