JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(11)【今さら聞けない営農情報】第277回2024年12月7日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
農薬を正しく使用するためには、これら剤型の性格をきちんと把握しておく必要があります。なぜなら、剤型によって作物への付着具合が異なり、有効成分の作物への付着具合が農薬の効果に大きく影響するからです。現在、その剤型ごとにその特徴と正しい使用方法、使用上の注意事項を紹介しています。
前回から製剤をそのまま散布する製剤をご紹介しており、今回はその5つめのジャンボ剤です。
6.拡散性製剤(略記号:FG・豆つぶ・楽粒 )
粒剤に水中で自己拡散する機能を与えた粒剤で、10aあたり250g~400gを散布する製剤です。
通常の散布の他、畦畔周縁散布や風上からの畦畔一辺散布、ドローンなど無人航空機による散布、水口施用など、様々な省力・簡便散布が適用できる製剤です。
その製剤の形状と呼び名は販売会社によって異なっており、協友アグリ㈱製が「FG剤」、クミアイ化学工業㈱製が「豆つぶ剤」、北興化学工業㈱製が「楽粒」と呼ばれています。
FG剤はFloating(浮遊) Granule(粒)の頭文字からとって命名したもので、水面に浮きながら自己拡散していく粒径1.5mm程度の粒状の製剤です。 拡散性に優れ、散布すると水面をさっと拡散する省力的な製剤です。
豆つぶ剤は、粒径3~8mmの名称どおりの豆つぶ状の製剤で、畦畔からの柄杓散布やドローン等で簡便散布が可能な軽くて省力的な製剤です。
楽粒剤は、粒径1.5mm程度の粒剤で、農薬散布を「楽して、楽しく」する製剤とのコンセプトで命名されたとのことです。
これらの拡散性製剤は、いずれも水面を拡散して水田内を均一に広がります。このため、ジャンボ剤と同様に十分な水深(5cm程度)と土壌表面の均平が必要で、田面が露出していたり、水深が浅い部分などでは、有効成分の拡散不良により局所的に有効成分が高濃度になって水稲に薬害を発生させたり、有効成分の拡散不良により十分な量の有効成分が田面に届かずに効果不足を起こすことがあります。
また、水面に藻類などが繁茂していると、藻類が邪魔をして薬剤が拡散せず、効果不足や薬害を起こすことがありますので注意が必要です。
比較的簡便と言われていたジャンボ剤よりもさらに簡便散布が可能なため、省力性で製剤を検討する場合は、有力な選択肢になり得ます。
(つづく)
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