JAの活動:農協時論
【農協時論】農協の責務―組合員の声拾う事業運営をぜひ 元JA富里市常務理事 仲野隆三氏2024年12月20日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならないのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様などに胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回は元JA富里市常務理事で百姓の仲野隆三氏に寄稿してもらった
元JA富里市常務理事
仲野隆三氏
農業と農村、農協を農業者の視点で考えてみた。農業協同組合のおかれている状況は40年前に比べ農業、農村、組合員の立ち位置が大きく後退しているように思う。
農業の担い手である組合員の高齢化と、後継者意識の変化にある。二つめは農協と組合員の距離が合併等で遠のき、役職員の顔が見えなくなっている。顔なじみの役職員との意思疎通が無くなっていることだ。三つめは総代会と総代制にある。組織が大きくなるにつれ支店統廃合と合理化が進み、総会は総代会に移行し議決権は総代(500数人)に委ねられる。当然参加できる組合員数は限られ、事業運営など発言する場がなくなっている。
組合員に対して総代会後の説明がないなど、さらに誰が総代となっているかさえ組合員はわからない。農協たよりに総代会が掲載され、その後しばらく経って総代会資料が配布される。総代会の会場は空席が目立ち、壇上は執行役員と系統や役場の関係者が席を埋める。しかし、大ホールは組合員総代が2割程度とスカスカ状態、それでも委任状含め総代会が成立したことが告げられる。これが総代会の光景だと聞き、協同組合のあり方に疑問を持ち、このままで良いのか、少なくとも生産部会総会は組合員が満席状態となるが、なぜ総代会は出席が少ないのか。
それなら地区説明会で組合員の声を拾えば良いが、それもない。近隣農協のOBに聞けば集会場が狭く、すべての組合員数が収容出来ないなど課題もあるようだと。それなら集落単位に説明会を開けば組合員の声を聞けるはず、それも役職員数に限りがあり無理だと力ない返事しかない。そもそも論として本気で「組合員のための、組合員による、組合員の総会(総代会)」を開く企画力があるのか。恐らく広範な地区から選出される理事はそのことを指摘できないのではないか。
日本農業新聞や農業協同組合新聞にきらびやかな見出し「第30回JA全国大会」や県大会のスローガンが掲載されている。見出しは力強いが、JA系統関係者はこの末端農協の"いまが"見えているか、疑問視したくなる。
「組合員による、組合員のための、組織事業と運営」が役職員にあるか。2023年の総合JA数は536、組合員数は1021万2631人とJA全中はまとめている(農協新聞)。このうち総代会など出席できる組合員数はおおよそ4割強、あらかたが准組合員数(5割強)だと聞く。その准組合員もJA運営に参画させるなど意見があるやにも。
ならば総代会を「組合員による、組合員のための、組合員参加」につなげる努力が必要でないか。JAの現状は時代変化にさらされ、総合事業でありながら肥大化した信用事業と営農経済事業のアンバランスが組合員の営農経済事業の縮小につながっているのではないか。小さくとも営農経済事業が強みの農協はあるし、そこには組合員の元気が集まる。九州から北海道まで歩けばそのような農協の知恵と事業を発見できる。
そこには組合員からリーダーが生まれ、総合事業をコントロールしながら営農経済事業と必要な信用事業がある。農協の信用・営農経済事業のバランスが組合員の営農生活に結びつき過度な事業偏重はない。
農協もDX(デジタルトランスフォーメーション)による事業計画改革を紙面で拝見するが、総代会などデジタル情報の発信もあるかと思うが、基本は組合員の現場に立った視点が必要である。
もっと言えば総代会や事前説明会など組合員の質問に対し回答できるようにしたらどうか? これから組合員数が減少、法人化など大規模化と多様な家族経営の組合員が生まれると思う。総代でなくとも多くの組合員が参加できる企画機能を考えるべきだと思う。いや進めてもらいたい。
批判などもあるやに思うが「組合員による、組合員のための、組合員の組織・事業・運営」として広く意見をひろい、組織事業運営に参画させる。役職員は批判を恐れると思うが、組合員から経営管理を任されており、質問に応じる義務もあるのではないだろうか。デジタルとリアルをうまくとり交ぜ組合員の事業参画に結びつけることを願う次第です。
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