調製・品質管理を一元化 JAなすのの米麦施設サテライトシステム JA全農が現地視察会2025年10月27日
JA全農は10月23日、栃木県那須塩原市のJAなすので、報道関係者向けにライスセンター、調製品質管理センター、大型低温倉庫の現地視察を実施した。JAなすのは調製品質管理センターを中核に、調製・品質管理を一元化。管内のカントリーエレベーターやライスセンターを乾燥専用の共同施設(サテライト)として運用し、効率的な広域連携体制を構築している。
富池調整品質管理センターの外観
JAなすのは栃木県北部の大田原市、那須町、那須塩原市を管内とする県内有数の良質米産地で、米・麦・大豆を中心とした耕種部門が販売取扱高の約47%を占める。大田原市富池に2008年には品質向上と物流合理化を目的に延床面積約6400平方メートルの大型低温倉庫を竣工。2013年には乾燥・調製機能の効率化を図るため、調製品質管理センターと乾燥施設を整備した。
大型トラックで富池ライスセンターに搬入
現在は、調製品質管理センターを中核に、管内3カ所のカントリーエレベーターと、5カ所のライスセンターを共同乾燥施設としてサテライト(衛星施設)に位置づけ、広域的な集荷・乾燥・調製体制を構築している。このうち大田原と金丸のCEは「築50年以上が経過し老朽化が進んでおり、統合を計画している」(JAなすの営農部米麦課次長兼サテライト施設長・小瀧光一氏)という。
サテライト施設では乾燥工程のみを担い、農家が収穫したモミを水分14.5%まで下げて品質を保持。乾燥後のモミは品質管理センターに搬入され、モミすりや精選、光選別などの調製を一括で行う。工程を集約化することで「農家の労力軽減と設備投資の抑制に寄与している」。また、調製機能をセンターに集中させることで、設備更新費用の削減と製品品質の均一化も実現した。
また、管内での課題であったばら化率が向上し、物流コストの低減につながっている。出荷設備の充実で積み下ろし作業の負担が軽減され、流通効率化も進んでいる。最新鋭の光選別機を導入し、実需者のニーズに即した調製も可能となった。調製と出荷を一元化することで、トレーサビリティ情報の迅速な提供にも対応できる体制を整備している。
低温倉庫に積まれた全農統一規格フレコン
大型低温倉庫は品質管理センターに隣接し、出荷調整や在庫管理を一体的に行う。庫内温度は年間を通じて15℃に保たれ、品質保持と物流合理化を両立。倉庫は6棟で総貯蔵能力は9000トン。現在、全農統一規格フレコンへの移行を進めており、「2028年度には全量が統一規格フレコンとなる」予定だ。
同JAでは、農家が自前で乾燥・モミすり・検査まで行った米の受け入れも行っている。施設利用料は生モミ持ち込みが1kg当たり22円、半乾燥モミが12円で、生モミの割合は全体の約7割を占める。検査はフレコンの場合、上・中・下の3カ所、紙袋は2カ所で採取し実施。JA検査員は98人で、令和6年産の一等米比率は前年並みの95.5%を維持している。
重要な記事
最新の記事
-
農業用バイオスティミュラント「エンビタ」 2025年水稲の実証試験で見えた効果 増収・品質向上に一役 北興化学工業2025年10月27日 -
高市内閣 農水副大臣に根本幸典氏、山下雄平氏2025年10月27日 -
26年産主食用生産量 711万t 別途、政府備蓄米を21万t買い入れ 農水省2025年10月27日 -
米価 5週ぶりに上昇 5kg4251円2025年10月27日 -
調製・品質管理を一元化 JAなすのの米麦施設サテライトシステム JA全農が現地視察会2025年10月27日 -
農山漁村への企業等の貢献活動 取組を証明する制度開始 農水省2025年10月27日 -
【役員人事】新社長に花田晋吾氏 クボタ(2026年1月1日付)2025年10月27日 -
【役員人事】クボタ(2026年1月1日付)2025年10月27日 -
「長野県産りんご三兄弟フェア」全農直営飲食店舗で27日から開催 JA全農2025年10月27日 -
「秋田県産 和牛とお米のフェア」宮城・東京・大阪の飲食店舗で開催 JA全農2025年10月27日 -
JAならけん協力 奈良県十津川村×北海道新十津川町「秋の収穫祭」開催2025年10月27日 -
富山県のショップ「越中自慢」約30商品が「お客様送料負担なし」JAタウン2025年10月27日 -
【今川直人・農協の核心】農協による日本型スマート農業の普及(1)2025年10月27日 -
社会主義は消滅したか・・・否【森島 賢・正義派の農政論】2025年10月27日 -
植物由来素材ユニフォームで「着る循環」を社会実証 Team P-FACTSと連携 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月27日 -
「枝もの定期便」運営スタートアップ 株式会社 TRINUSへ出資 あぐラボ2025年10月27日 -
【人事異動】北興化学工業(2025年11月1日付)2025年10月27日 -
重信川クリーン大作戦に参加 井関重信製作所2025年10月27日 -
新潟県U・Iターン移住イベント「にいがたU・Iターンフェア2025」有楽町で開催2025年10月27日 -
高知で「未来型農業」始動 水耕栽培野菜を販売開始 アドインテ2025年10月27日


































