JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(17)【今さら聞けない営農情報】第283回2025年2月1日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考え、まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
前回までに、農薬の剤型について紹介し、それぞれの剤型の特徴と正しい使用方法、使用上の注意事項並びに製剤の必要性を学んで頂きました。
今回は、製剤を使用者に安全かつ的確に使用してもらうために求められる性能を整理してみます。裏を返せば、製剤を作る場合にはこのような点に着目して作られていることになります。
まず最初が均一に散布しやすくすることです。
前回ご紹介したように、少量の有効成分が作物全体に満遍なく付着するようにでき、しかも既存の防除器具を使って散布しやすいものが求められます。
次に防除効果を十分に発揮できることです。
少しずつ有効成分を放出して残効性を向上させたり、有効成分が染み込みやすくすることで、作物内部に潜む病原菌に効果を表すことができるようにすることや、有効成分を作物表面に長く留めて効果の持続期間を長くすることなどが出来れば防除効果が安定します。
次に、薬害がないことです。
農薬の有効成分によっては、作物に障害(薬害)を起こすことがあるので、それらが起こらないように、薬害軽減剤を添加したり、増量剤を変更したりして薬害が起こりにくい製剤が求められます。
次に、散布者や作物、環境に安全であることです。
薬剤調整時に粉立ちせず、作業者が農薬の粉塵を吸い込んでしまうことがないようにしたり、パック包装など農薬成分に直接触れることなく使用できるものなど、散布者への接触や飛散が無くなるように工夫されます。
次に長期間の保管に耐えられることです。
農薬の有効期間(3年~5年)に、一般の保管状態で、有効成分が分解・消失することなく効果を保つことができる、変質したり希釈性が変化したりしないことが求められます。
最後に散布労力が軽減できることです。
農薬を水に希釈して広範囲に散布するのは労力のかかる骨の折れるものです。ジャンボ剤、流し込み製剤など散布労力や散布時間を短縮できる製剤が使用者に喜ばれます。
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