JAの活動:農協時論
【農協時論】JA全国青年大会 仲間とつながりより良い未来へ JA東京青壮年組織協議会顧問 須藤金一氏2025年2月26日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならないのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様などに胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回はJA東京青壮年組織協議会顧問の須藤金一氏に寄稿してもらった。
JA東京青壮年組織協議会顧問 須藤金一氏
「Never G ive Up!~新時代へ前進あるのみ」これは、今年開催の第71回J A全国青年大会のスローガンです。まさにこの原稿が掲載される2月28日(農業協同組合新聞へは2月28日号に掲載)は今大会の2日目であり、私も大宮ソニックシティで盟友と共に熱い2日間の真っ只中でしょう。
私は今から21年前に就農し、現在47歳、東京の三鷹市で植木生産を中心にかんきつ、オリーブオイルを生産する農家です。農家人生=青壮年部人生と言ってもいいほど、私の農家人生の礎は青壮年部活動と共に築かれたと言っても過言ではありません。就農した翌日には地元の農家の先輩が入部届を持って来て、訳もわからず即入部。就農したら農家仲間ができるのかと若干不安に思っていた自分にとっては、半ば強制的に入部したことは今振り返ると良かったと思います。
青壮年部に入ると、様々な活動があり、特に市内の子ども達に向けた食育活動としての「コメコメ大作戦」や市内小学生の「農のある風景画」を活用した食育カレンダーの制作、また地域資源を活用して作る「エコ堆肥」を使った「エコ農産物」を市内小学4年生全員に配布する活動など、20年以上前からコツコツと毎年続けた活動は、2013年の第59回JA全国青年大会活動実績の部で最優秀賞の千石興太郎賞を受賞しました。私は、発表者として携わらせていただき、その経験は今でも自分にとって、青壮年部活動の意味を考えさせてくれた貴重な機会だったととらえています。
当時はポリシーブックという言葉も青壮年部の中では、ありませんでした。自分たちの活動は、当時の都市農業が大きな逆境にある中で、どうしたら市民、都民、国民に必要だと思ってもらえるのかということが活動の軸でした。その中で、先輩・仲間達と知恵を絞り、1人ではできないけど、組織だからできる活動を展開していった事が、その後の2015年の都市農業振興基本法の成立への一助につながったと思っています。
さて、私は青壮年部に入部したことで、農業協同組合の組織の大きさを知りました。特にJA東京青壮年組織協議会の理事、その後の委員長を経験し、JAグループの全国組織の方々との交流を通して、多くの組織の方々が全国の組合員である農家を多方面から支えてくれているのを知りました。また青壮年部活動を通して、地域外の農家仲間もたくさんできました。全国各地の仲間との交流は、「JA青年部」という共通点が一気にその距離を縮めてくれるのです。毎年開催されるJA全国青年大会は、年に1度、青壮年部活動を通して知り合った仲間と再会する場でもあります。
青壮年部後輩たちとの会話で、時々農協に対する愚痴や不満を聞くことがありますが、そんな仲間に私は改めて協同組合の意味を伝えるようにしています。組合員にとって理解しておかないといけないのは「出資」「利用」「参画」の3点なんだと。我々組合員は「出資」して、組合員になっています。そして農協は組合員のニーズに合わせて、いろいろな機能をサービスとして提供していますから、組合員は農協を積極的に「利用」すべきなのです。ただ農協の取り組みに不満や課題があるのなら、私たちは「参画」する事ができるので、しっかりと農協に対して意見を伝えるべきであると。そして改善し、より利用しやすい組織に変えていくのは、我々組合員の役割であると。結局、農協を生かすも殺すも我々次第ですから。
時に農協不要論を耳にすることがありますが、戦後80年を迎える今年は農業協同組合ももうすぐ80年を迎えることになります。戦後の食料不足の時代から現在まで日本の食と地域を農家と共に支えてきた農協をもう一度、私達青壮年の力で、より必要とされる組織に築き上げていきましょう。きっとその先には、日本の食料・環境・地域の明るい未来につながるはずです。
「Let's try!」 and 「Never G ive Up!」
さあ全国盟友の皆さん、今こそ日本農業の底力を見せてやりましょう。
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