JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(34)【今さら聞けない営農情報】第300回2025年5月31日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。そこで、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、前回までにそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介してきました。
今回は製剤をそのまま散布する農薬の散布機械のご紹介のつづきです。
1.人力散布(つづき)
(3)ジャンボ剤等拡散性製剤の散布
農薬は作物体上や土壌表面に均一に拡散して有効成分の層をつくって効果を現しますので、特に水稲除草剤の場合は田面水を介して水田土壌表面に均一に拡がることが必要になります。その均一に拡がる力を強くすることで、10aあたりの投下製品量を最小限にして、散布労力を減らすことに成功したのが拡散性製剤です。拡散性製剤には、ジャンボ剤や豆つぶ剤、FG(Floating Granule)剤、楽粒、顆粒水和剤があります。
①ジャンボ剤
ジャンボ剤は、10g~40g程度の拡散性製剤を水溶性フィルムで覆ったパックを10個/10a投げ入れるだけの簡単散布が魅力の製剤です。農薬メーカー各社 水を湛水状態にしておけば、投げ入れるだけで農薬自身が拡散し、均一に拡がっていきます。中山間など小規模水田などで多く使用されます。これらは、水を介して均一に拡がるため、十分な水深が必要で、加えて藻など拡散を邪魔するものがないことが、薬害もなく高い効果を発揮させるための条件となります。このため、ジャンボ剤を正しく使用するには、3~4cmの水深を保つこと、土壌の均平が保たれ田面露出などがないこと、藻などの発生がないこと、吹き寄せのゴミなどがないことといった条件を守る必要があります。
②豆つぶ剤
クミアイ化学工業株式会社の製品で、豆粒大の大きな粒剤をそのまま散布する製剤です。10aあたり250gという少量を、手やひしゃく等ですくって散布するのが一般的です。ジャンボ剤同様に畦畔周縁からの散布だけで済み、水田内を大雑把に均一に散布すれば、あとは豆つぶ剤が自身の力で拡散していき、有効成分が水田内を均一に拡散します。水を介して拡散するため、ジャンボ剤と同様に3~4cmの水深を保つこと、土壌の均平を保たれ田面露出などがないこと、藻などの発生がないこと、吹き寄せのゴミなどがないことといった条件を守る必要があります。
(つづく)
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