JAの活動:第5回 営農・経済フォーラム 営農・経済事業の収益力向上へ
【第5回 営農・経済フォーラム・4】<実践報告>JAたじま・山下正明常務「売れる米づくりへ 人材育成と担い手対応」2019年9月13日
第5回 営農・経済フォーラム 「営農・経済事業の収益力向上へ」西日本地区・実践事例報告より。
当JAは30年以上前から環境に配慮した特別栽培による米づくりに取り組み、現在は栽培方法と地域の違いなどで19アイテム(慣行栽培含む)のコシヒカリを販売している。売り先が確保された契約栽培の拡大と多様な流通ルートの構築と直売の拡大をめざしてきた。 契約栽培米はJA全農兵庫と連携し、ともに実需者まで販売営業に出向き、拡大に努め7割が売り先が確保された米となっている。
「売る」ための人材育成として支店次長を米穀課長に任命したほか、トップLAを米穀課の販売担当に任命するなど体制づくりを行った。但馬の米の魅力を伝え実需者や消費者に届けることは信用・共済の推進と同じで、「売る」意識を営農部門も持つことが大事と考えた。
また、支店職員の有志による但馬農産物の販売促進チームを設置し、支店職員の農業に対する意識の向上と、1人ひとりが販売員である意識を持ってもらうよう取り組んできた。
ブランドの1つ、「コウノトリ育むお米」は無農薬・減農薬での栽培や冬季湛水などで環境への負荷を軽減し、コウノトリと共生する暮らしの復活をめざす。環境創造型農業として消費者との交流にも力を入れてきた。
農家の取り組みを消費者が見ることによる理解醸成と、消費者の顔が見えることによる生産意欲の向上、ブランド力向上などの効果が出ている。
平成28年度から担い手支援体制を強化。TACを本店に集約・増強するとともに、総合支店長と連携した同行訪問を制度化した。5ha以上の地域で認めた担い手300戸をターゲットにし、融資や法人化支援など幅広く対応している。
営農指導から経営面の改善につながる提案活動に転換し、水稲大規模農家に対して作業分散できる多収穫米の作付け提案を行うなどで、JAの未利用・低利用の担い手からの新規出荷実績も伸びている。低コスト肥料や大型規格資材の取扱いも増えている。今後も品目集約、予約積み上げなどJAの強みを発揮する事業運営などが課題だ。
(写真)山下正明氏
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日