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JAの活動:女性に見放されたJAに未来はない JA全国女性大会

座談会:「報徳」の縁で姉妹提携 「違い」から学び合いへ(2)2020年1月27日

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JAはだの女性部部長熊澤淳子さん
JAはが野女性会会長猪野正子さん
文芸アナリスト大金義昭さん

毎年交代で開く「姉妹提携」の交流会毎年交代で開く「姉妹提携」の交流会

◆女性が動けば地域も JAとの対話を重ね

 大金 JAはだのは、二宮尊徳の弟子であった安居院庄七の出身地ということでしたよね。女性組織同士の提携はその当時、全国でも珍しいケースでした。ラブコールしたJAはだのは、どんな思いだったんですか。

 熊澤 地域特性が全く異なるJA女性組織同士の連携で、「違い」から学ぶことが数多くあります。県内でもさまざまな交流機会がありますが、「違い」から学ぶということは、県を越えて交流してみて実感しました。当時の先輩たちは「だめもと」で挑戦したのだと思いますが、女性部の活動でこの姿勢は大事だと思っています。毎年、相互訪問で交流しています。

 大金 「だめもと」ですか。失敗を恐れていては、何もできませんからね。

 猪野 さらに10年も20年も、無理なく、細く長く、お付き合いしたいと思っています。

 大金 互いに学び合うという点では、JAはだのの「サポーター制度」もその一つなんでしょ。

JAはが野女性会会長 猪野正子さん 猪野 JAはが野には本部役員のほか、「組織強化」「文化」「健康管理」「地産地消」「編集」「なの花」の6つの「倶楽部」があります。6地区から2人ずつ出て、企画・運営に当たります。本部役員の負担を軽くするとともに、経験を積むことで次世代の人材育成にもなるのです。倶楽部の役員をすると、人が変わりますよ。その変化を見ると「倶楽部方式をやってよかったな」とつくづく思います。

 熊澤 JAはが野さんの女性会の活動を見て、できる人がやらないと活動は活発にならないなと感じました。JAはだの女性部には7支部あり、1支部3人で21人の本部役員がおり、企画・運営に当たっていましたが、役員の負担を軽くするため、JAはが野さんに見習ってサポーターを募集しました。あまり期待していませんでしたが、なんと最初の年に延べ150人が手を挙げました。大きな行事の時は、彼女たちが企画・運営に当たっています。

 猪野 自分たちが動かしているのだという意識と実感を持つことが大事ですね。役員だけで盛り上がっていても仕方がないですもの。一人ひとりが興味や関心を持つことが、活動を次の人につなげることになるのだと思います。

 大金 女性組織は、今後どのような役割を果たしていくべきですか。それを念頭に、普段の活動について聞かせてください。

 猪野 JAはが野には、小学生を対象にした、農業に親しむ「未来ちゃんクラブ」があります。6つの支店ごとにあり、それを女性会がバックアップし、JAと二人三脚で食農教育を行っています。また地産地消倶楽部は、切り干しダイコンや五目ご飯、家によってそれぞれつくり方や味が異なる栃木県の伝統食「しもつかれ」などの掘り起こしと、レシピを冊子にして残すような取り組みをしています。地域に根差した活動が大切です。

◇   ◇

 大金 「6次産業化」の草分けとも言える女性の加工事業が盛んですが、農産加工への取り組みは。

 猪野 会員個人ではさまざまな取り組みがありますが、女性会としての取り組みはありません。それぞれが加工品をつくり、直売所などで販売しています。私もイチゴ農家としてイチゴジャムなどを直売所に出しています。加工施設は持っていませんが施設を持つ人に頼んでいます。その方がお互いにプラスになります。

 大金 JAはだのには「じばさんず」という、規模や地域密着度などで優れた直売所がありますが、農産加工の取り組みはいかがですか。

JAはだの女性部部長 熊澤淳子さん 熊澤 JAはが野さんと同じで、地区の加工グループが得意の分野で頑張っています。「峠漬(とうげつけ)」という神奈川ブランドに認定された粕漬けがありますが、高齢化でできなくなったということで、JAの働きかけで、30~40代の女性グループが引き継いでいる例もあります。
 「じばさんず」の出荷者は約850人で、3割以上が女性です。その中から運営委員会にも入ってもらっています。滋賀県のJAグリーンおうみの直売所「きてかーな」を視察した時、女性部員だと販売手数料を抑えていました。これを参考に女性部のプロジェクトチームで検討し、その実現をJAに働きかけていきたいです。

 猪野 JAはが野管内には「道の駅」が2つ、それに4か所の直売所があり、規模は小さいのですが人気があります。女性会の出荷する加工品や惣菜などに行列ができるところもあります。また「益子」「井頭」の2つの観光いちご園があり、首都圏から大勢の来訪者があり、日本一の産地のPRにつながっています。

◇   ◇

 大金 JAはが野のイチゴ販売高は100億円超えと、全国でもトップですよね。今年は「全国いちごサミット」が真岡市で開かれるそうですが。

 猪野 私も実行委員を務めています。「全国いちごサミットin真岡」は今年の3月14~15日に開かれる、イチゴでは全国初のサミットです。全国の女性組織にも参加を呼びかけ、成功させたいと思っています。会場では多くの女性が、組織あるいは個人で出店します。

 大金 女性ならではの「おもてなし」で盛り上がるでしょうね。

 猪野 真岡市に来てよかったと思ってもらい、農業や農家のよさを知ってもらう機会にしたい。初めてのことで大変ですが、JAはが野だけでなく、サミットによって全国のイチゴ産地が盛り上がってほしいですね。

 大金 サミットもそうですが、JAの活動で女性ならではのものは、どのような活動がありますか。

 猪野 女性会だから、農家だから発信できることは沢山あります。JAはが野では6支店ごとにJA祭が開かれていますが、女性会は、「趣味の会」の発表やお赤飯やけんちん汁を提供し、長蛇の列ですよ。

 熊澤 秋の農業祭では、サポーターに手伝ってもらい、支部ごとの出店や芸能大会などを開いています。栄養士さんのグループによる健康・栄養相談コーナーもあり、大好評です。

 大金 女性組織には、さまざまな資格や才能を持った部員さんが大勢いますから、上手に活かしたいですね。

 猪野 看護師や介護福祉士、学校の先生、音楽の先生、踊りの先生など多彩で、時には講師役も頼んでいます。

◇   ◇

文芸アナリスト    大金義昭さん 大金 JAは、そうした女性たちを地域の活動にぜひ活かしほしいですね。ところで、女性組織の活動が、JAの事業面で具体的にどのような貢献をしていますか。

 猪野 女性会に入っていると、貯金の金利など、JAの動きがよく分かります。JAにも積極的に情報を提供するよう働きかけ、女性会による海外視察などでは、なるべくJAの積み金をするように呼び掛けています。要はJAとの関係づくりですね。

 大金 家庭では女性が事実上の決定権を握っているのに、なぜ外では指導権が持てないのか。遠慮しているのでしょうかね。女性組織が動けば、地域の人たちもついてきます。それだけの力を女性は持っています。

 熊澤 私たちが変えないと、JAは変わらないのではないでしょうか。一方で、女性も力を認められるように、やっていることはちゃんと伝えないとダメだと思います。

 大金 JAの自己改革のポイントは、何といっても男女共同参画でしょう。その流れをつくるべきで、女性が引いていては話になりません。最後に、何かございませんか。

 熊澤 もっと女性の声を取り上げてほしいですね、トップが変わると、私たちの思いが伝わっていないなと感じることがあります。毎年、夏には常勤役員との話し合いを設けていますが、どんな些細なことでも発言していくようにしています。

 猪野 その通りです。声が形になると励みになります。JAトップは、私たちをもっと当てにしてほしいですね。経営陣と話し合いの機会を持つこと。とにかく話せばそれが一歩前進につながります。諦めないで継続することです。

 大金 女性には、男性に勝る「爽やかな笑顔」「パワフルな実行力」「舌を巻くようなコミュニケーション力」「心優しい共感力」といった4つの力があると私は唱えています。これらの力を引き出せるかは、JAトップの意識にかかっています。そのためには女性も引かずに積極的に発言し、先々は、JA組合長の半数くらいが女性になってほしいですね。ご活躍を期待します。


(座談会を終えて)
 軽妙なテンポで繰り広げられたお二人の率直な会話には、信頼の絆が感じられた。営農と暮らしと活動のキャリアに自信あふれるお二人に乾杯!(大金)



座談会:「報徳」の縁で姉妹提携 「違い」から学び合いへ(1)

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