JAの活動:私の意見・提言 JAへエール
あたり前のことをあたり前に 足元の行動指針・信念を再確認 JA大阪中央会元専務 菊井健次【私の意見・提言JAへエール】2020年8月28日
JA大阪中央会元専務菊井健次 氏
農業、農協街道一筋に50年余り、ありがたいことに「農協人文化賞」をいただき、JA中央会の職を離席して3年が経過した。
特に最近は、史上最大級の記録的豪雨で想像を絶する被害の拡大に加えて、収穫直前の農産物や農業施設の無残な姿に痛恨の極みである。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に被災者の一日も早い復興・復旧を念ずるところである。
さて、今回のテーマは私には重荷すぎて、理路整然と示せないが、日ごろの思いや感じていることを述べ、ご判読いただきたい。
まず7月はコロナ禍で国際協同組合デーも重なり、人々の助けあい、地域社会貢献等、協同組合らしい姿の発揮が叫ばれた。今後一層「JAがあって良かった」「JAの役職員と出会って良かった」「JAの人々との出会いで人生が生き変った」というような人材の輩出に至ってほしいと考えている。
一方で、コロナ禍でデジタル社会が進行し、テレワーク等の導入も今後加速され、我々が常々重要だとしている組合員とのフェイス・トゥ・フェイス等、組合員とのコミュニケーションをどう保つのかJAの旗印の維持が難しくなってきた。以上の状況下で5点を提起したい。
(1)組合員と役職員の対話の現状
JAの自己改革が叫ばれ、役職員の努力でそれ相応の成果は挙げた。しかし組合員対応の例をみてもJAが広く組合員の相談相手となり、組合員農家にも出向き、農業現場で話が進み本当に手助けになっただろうか。
「JAだより」の一斉配付時や「組合員全戸訪問」等に際し、相手の気持ちに応えられたのか。その成果と今後を再度チェックすべきでないか。
(2)全店舗・全職員で農業体験の実施
私事ながら、今、遊休地を借りて200坪程度、多品目の野菜作りに挑戦している。コロナの影響で道行く人々とも立ち話が増え、農業への関心の深さを感じる。まずはJAの全店舗でプランター等による野菜栽培や役職員の一人一作物に挑戦するなど、その事実を通じ、対組合員・地域住民との対話の材料として農業・JAへの理解を深める一歩にならないか。要は自ら農業体験をし、相手と接することが重要でないか。
(3)知産知消と地産地消
災害や有事に備え、食や農業への関心が高まっている。改めて日ごろから農業のありがたさ、大切さの意識を浸透せしめることがポイントである。
地域の農産物は地域で旬のものとして消費する従前の「地産地消」から消費者は農業者へのありがたさ、大切さ、一方では多くの苦労を理解し、感謝とともに生産者・消費者の相互理解を図る「知産知消」が大切である。そのことがやっぱり地域にJA・農業が必要という気運を今こそ高めることになるのではないか。
(4)農産物の移動販売の拡充
JA直売所もコロナ禍の影響で購買スタイルも変化してきた。今後、注目され普及が期待されるのが移動販売の導入であり、本・支店や一定の施設等での定期販売実施である。これらは小規模農家の営農意欲の向上と消費者への安全・安心な農産物の提供がマッチするものである。これこそ地域と暮らしを守るJAの姿と確信する。
(5)役職員との地域貢献への率先垂範
役職員への地域貢献の例として、地域消防団、地元の各関係団体、神社総代、児童見守り隊、青パトロール等々、数々の加入が考慮される。
役職員が地域との人々との出会いを通じ、JAの存在意義、農業の役割等の理解を浸透できる一歩である。以上、順不同であたり前の項目を述べたが、今日までの役職員の努力に敬服すると共に今後さらに一皮むけたJAの構築に向けて、あたり前のことをあたり前に足元の行動指針・信念を皆でじっくり再確認し、行動され成果を挙げることを期待したい。
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