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JAの活動:持続可能な社会を目指して 希望は農協運動にある

【特集:希望は農協運動にある】農家に寄り添い基盤強化 JA全農 菅野幸雄経営管理委員会会長に聞く(1)2020年10月21日

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コロナ禍でもわが国では食料の安定供給が維持された。そこには各地の生産者、JA、JA全農などJAグループが一体となった取り組みがあった。JA全農の菅野幸雄会長は「むしろ新たな営農振興に向け、農家がやる気になるような環境づくりにJAグループの強みが再確認できた」と話し、生産者に寄り添い生産基盤の強化を図ると意気込みを語る。聞き手は白石正彦東京農業大学名誉教授。

JA全農 菅野幸雄経営管理委員会会長JA全農 菅野幸雄経営管理委員会会長

コロナ禍の食の安定供給JAグループの強み発揮

白石 菅野会長は、今年7月29日に副会長から会長にご就任されました。新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、各国が外出制限、海外渡航の中止や制限を実施することで、戦後最大の経済・社会活動の危機を地球規模で同時に遭遇して、この影響が数年間は継続することも想定せざるを得ないなかでのご就任となりました。
最初にJA全農の会長として現在のコロナ禍のお気持ちを率直にお聞かせください。

菅野 もともと事業改革を進めてもう一段飛躍した組織にならないといけないという大きな問題を抱えているなか、われわれはこれまで人と人が会って親しくなって手を握り話を聞き、こちらの話も訴えるという協同組合運動に力を入れて改革を進めてきました。しかし、コロナ禍で今年の7月の総代会もみなさんにお集まりいただくことができず、新しい経営管理委員会も会議室にまだ一堂に会するということができません。
各地の現場でも同じようなことが起きていると思いますが、JAとしては組合員のところに行かなければ仕事になりませんから、感染防止対策を徹底しながら生産部会の支援などの活動などを続けていると思います。
こうした厳しい状況ですが、日本の食料を任されているJAグループとして食の安全・安心についてはきちんと確保して国民のみなさんに食料を提供できていると思っています。
スーパーに行っても農産物がないということはありませんし、夏の豪雨被害のダメージは一部にはありますが、基本的には生産者は生産活動が安定的にできており安全で安心でおいしいものを消費者に提供できています。このことについては国民のみなさんから評価していただいているのではないかと思っています。
食料の生産から流通、販売までコロナ禍でいろいろな課題がありましたが、むしろ新たに営農振興に向け、農家がやる気になるような環境づくりにJAグループの強みが再確認できたのではないかと思っています。

白石正彦東京農大名誉教授白石正彦 東京農大名誉教授

白石 国内での災害の多発だけでなく9月の米国カリフォルニアなど西海岸地域の大規模火災の発生など、地球温暖化・気候変動が深刻化しています。
一方、日本のカロリーベースの食料自給率は38%で、人口1億人を超える先進国でこれだけ低い自給率の国はありませんが、コロナ禍で食料の輸出制限の動きもみられました。わが国の食料自給率についてのお気持ちをお聞かせください。

菅野 私は戦後生まれですが、終戦直後は非常に食料難だったと聞いています。いつまでを戦後というのか分かりませんが、今のように豊かになるきっかけは終戦から19年しか経っていない昭和39年の東京オリンピックの年からだと思います。
そのころは農業就業人口は多く、米を中心に各地で産地興しをやって、もともと地域にあった野菜や果樹、酪農など日本に適した農産物を作っていったと思います。そしてそれぞれ新しい品種も導入されていきました。
日本は四季がありますし、北海道から九州、沖縄まで南北に長く、各地の気候を利用していろいろな特産品が作られていきました。これも農家の技術力の積み重ねです。いわゆる食料難の時代はまず米を作り国民の皆さんの空腹を満たし、次には国民の嗜好に合う農産物を作るなどの努力をして今の時代を迎えていると思います。
そういった食料増産はもちろん農政の役割でもありましたが、それと両輪として産地を作ってきた生産者の努力が食料増産の役割を果たしてきたと思います。米から始まっていちご、りんご、みかんなどと品目を広げ、さらに品種改良もして、今は豊かな国になっています。
日本は前は海、後ろは山という地形が多く、耕地面積は少なく非常に手間がかかる農業です。こういう条件のなかで増産をしてきましたが、そこに外国産の農産物が輸入されるような時代になりました。まずはオレンジ、レモンから輸入されましたが、それは大きな影響がありました。やはり生産コストが違いますから。中山間地では労力も含めて生産費がかかります。ここに安い外国産農産物が入ってくると厳しい。農業という弱い部分で門戸を開いたわけですから。国民がさまざまなものを食べたいということに応えるという面もありますから、すべて悪いというわけではありません。
しかし、農業者の営農、生活をカバーできる政策支援がもう少し平行してあれば、今のような38%というような自給率や、高齢化で農村の小さな集落が消滅するといったこともなかったのではないか。このあたりは日本の大きな問題点だと思います。

白石 新しい食料・農業・農村基本計画では認定農業者等の担い手だけではなく多様な農家も重要だということを強調しています。そこは今までとは変わってきたと思います。

菅野 そういう農業政策を打ち出してくれたことは大変ありがたいことです。中山間地域農業や家族農業、小規模・零細農業についても1つの生産母体として守っていくという方針を出していただきましたから、これは地域の農業者にとって大変安心できることですし、われわれJA組織としても喜ばしいことだと思っています。
もちろんAIやICTを活用した大規模農業は生産数量を確保するために大事だと思います。数量が競争力になるということもありますから。その一方で中山間地域など地域でがんばっている農業者が元気になるという政策は日本の国にとっても大変いいことではないかと思います。

(2)「農家に寄り添い生産基盤を強化」に続く

愛媛県 日の丸共選のほ場


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