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JAの活動:第67回JA全国青年大会特集号 持続可能な社会をめざして 切り拓け! 青年の力で

【エール:切り拓け! 青年の力で】座談会「どうする これからの日本農業」(1)2021年2月16日

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大規模な専業農業者の農協青年部員として日々農業や青年部活動に携わり、農業・農協のあり方、地域のあり方、日本農業のあり方について考えていることについて、青森県の十和田おいらせの農協青年部の方に集まってもらい大いに語ってもらった。司会と構成は小林光浩十和田おいらせ農協理事。

座談会の出席者。左から寺澤祐介氏、佐々木祐輔氏、東寛貴氏座談会の出席者。左から寺澤祐介氏、佐々木祐輔氏、東寛貴氏

プロローグ(自己紹介)

――それでは先ず自己紹介から始めましょう。青年部との関わり、就農年数、我が家の農業経営規模、農業従事者数、就農しようと思った理由についてお願いします。

佐々木祐輔(36) 私は今、十和田おいらせ農協の青年部本部長をしています。地域は農協の上北支店管内。就農して17年目です。青森県営農大学校を卒業して就農しました。我が家の農業経営はニンニク2.5ヘクタール、ナガイモ2.5ヘクタール、水稲7.5ヘクタール、ハウスアスパラガス8.3アール。就農理由は自然に囲まれて仕事をしたい思ったから。就農前の我が家は兼業農家だったのですが、私が「農業をやりたい」と言うと、サラリーマンだった父が会社を退職して専業農家となりました。今は父と二人で農業をしています。

寺澤祐介(34) 自分は青森県農協青年部協議会の副委員長をしていました。地域は農協の七戸支店管内。就農して15年目です。青森県営農大学校を卒業して就農しました。我が家の農業経営は生食用ナガイモ3ヘクタール、種芋用ナガイモ1ヘクタール、ニンニク40アール、インゲン10アール。我が家の農業従事者は父・母・通年雇用者3人との6人です。就農理由は祖父・父が共に素晴らしい農家なので、それに負けないような農家になろうと思ったからです。

東寛貴(44) 私は農協青年部の副支部長で本部委員をしています。地域は農協の十和田湖支店管内。就農して9年目です。東京都内でサービス業などの仕事をしていましたが、専業農家の両親の後を継ぐためにUターンし専業農業者となりました。我が家の農業経営はニンニク1.4ヘクタール、水稲4.7ヘクタール。我が家の農業従事者は父・母との3人です。就農理由は農家の長男に生まれ、いずれは後を継ぐつもりだったことと、約17年、都会で様々な仕事をする中で、もの作りという仕事に改めて魅力を感じたからです。

今、自分が目指している農業とは

――皆さんは、現在、大規模な専業農業者として取り組んでおられますが、「私は、将来はこんな農業をしたいんだ」と思っていること、つまりは「今、自分が目指している農業の姿」について話してください。

佐々木 私は家業としての農業ではなくて、企業としての農業を目指しています。今後は規模拡大を進めて法人化したいと思っています。地域では農業の担い手が減少していて、しっかりと農業経営が確立されなければ農業者は減少する一方だと思っていますし、自分の農業経営を拡大するためには通年雇用などの人材確保しなければならなりません。現在、一緒に農業をしている父も高齢なので、父が元気なうちに、できれば10年以内には法人化して農業経営基盤を確立したいと考えています。

農作業中の佐々木祐介氏農作業中の佐々木祐介氏

農業経営の柱は、今のニンニク、ナガイモを拡大し、水稲は地域の高齢者から預かった農地の保全ととして必要なので、野菜との複合経営として機械化による拡大をしたいと考えています。

寺澤 自分は規模拡大を考えていません。現状の農地面積を維持しながらも、今よりも農業所得を増加させたいと考えています。野菜の高品質化や商品化率をさらに高めたい。「いいものを取れば高く売れるし所得も増える」ので、さらなる技術の向上を目指しています。その結果として、先日、「2020年の青森県ナガイモ共進会」で青森県知事賞を受賞することができました。特産野菜では他の地域には絶対に負けない物を作りたいと思っています。

ただ、種芋栽培はある程度の価格保証がされているが、病気などで品質が低下すれば販売がゼロになるリスクがあるので、消費者用に生食用へと切り替えていきたいと思っています。自分は法人化を考えていませんので、家族経営で3人の通年雇用でやっている今の農業経営基盤を維持していきたいと思っています。

寺澤祐介氏/家族や従業員と共に寺澤祐介氏/家族や従業員と共に

 私は都会でサラリーマンをしていたのを辞めて実家の農業を継ぐという方法で就農して9年目ですが、今は農業が楽しいと思っています。私の目指す農業は「農業を楽しむ」「農業を楽しむことを生きがいにする」という事です。規模拡大とか、農業所得アップよりも、先ずは「農業を楽しんでやる」ことを目標にしています。

現在のニンニク栽培は、ある程度の農業所得を得ることが出来るし、自分としては「満足のいく優良ニンニクを作れている」という段階にないので、当面はさらなるニンニクの栽培技術を高めて農業を楽しむことが私の目指すところです。

ある程度の生活ができる農業経営基盤を確立しながら心の豊かさを求めて行きたいと思っています。

東寛貴氏/自慢のニンニク東寛貴氏/自慢のニンニク

農協青年部活動で得たものは

――皆さんが将来の農業展望をしっかりと持っていらっしゃることに感銘しました。それぞれが、地域農業の担い手として明確な将来ビジョンを持ち、将来設計を描きながら、地に足を置いて確実に己のレベルアップに取り組まれていることに、我が地域農業の未来は明るいと感じました。

さて次のテーマに入ります。皆さんは農協青年部のリーダーとして青年部活動に携わっていますが、その青年部活動から学んだことを紹介ください。後輩たちの参考になると思いますので。簡単に一言ずつお願いします。

佐々木 多くの盟友との交流を深めたことによって自分の世界が広がりました。

寺澤 青年部や農業に対する考え方や、やり方における他地域との違いと、物事に対する見方や責任のあり方を学びました。

 地域の農業者との新たな出会いを得ることができ、多くの人と交流することで多くの仲間ができました。

地域の農業振興で考える事は

小林光浩氏小林光浩氏

――農協青年部活動を通じて知り合った盟友から学ぶことが多いでしょうし、助け合いの仲間として皆さんの財産となることでしょう。さらに皆さんは、農協青年部のリーダーであるので、将来は農協活動のリーダーをぜひともやってほしいと願っていますし、必ずや農協運動人となるだろうと期待しています。そこで、自分の地域農業の振興をどうするのかについて語ってもらいたいと思います。

 地域に関しては、農業者同士の交流を深めて、相互扶助の助け合いがもっと必要だと思います。個人個人が頑張るだけでは限界、地域の皆で頑張る。例えば、地域の皆で新しい農業者を受け入れて、皆で支えることによって地域の農業者を増やして行ければいいと思っています。

具体的には、高齢で後継者がいない農業者の所で、他の職業や他の地域から農業をやりたいと言う人を受け入れて、地域で支援していく仕組みが求められます。こうした取り組みは個別ではできないので、地域や農協が合体しての受け皿ができれば、地域の農業者を増やして行くことができると考えます。

寺澤 当地域は古くからナガイモの特産地であったけれども、今では30代の若いナガイモ生産者は4、5人しかいないのが実態です。ナガイモ産地発祥の地である七戸地域のブランド化維持が難しいです。地域では耕作放棄地も増えていて、「もったいない」と思っています。新しく農業をやりたいと思う人が良い農地を使えるように、自分達若手農業者が耕作放棄地を再生して維持・管理していかなければならないと考えています。

佐々木 私の地域でも耕作放棄地が増えています。今、その耕作放棄地を保全管理しなければ木が生えて農地として使えなくなるのが危惧されます。自分の地域は開拓地が多く、畑には向かない泥濘(ぬかねみ)農地が多いので、リタイヤする高齢農業者から預かって保全するためにも水田農業を取り組まなければなりません。なので、農業所得アップを目指すニンニクやナガイモ農業だけではなく、水田保全のための稲作農業を続けています。

でも、水田農業では大型機械の導入など、多額の投資が必要であるとともに、経営コストが掛かる割には所得率が低いのです。水田農業経営の確立のためには、投資支援や所得補償などの長期的な経営安定対策の国支援が求められます。

座談会「どうする これからの日本農業」(2)に続く

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