JAの活動:JA全農の若い力
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
家畜の病気対策に携わる全農・家畜衛生研究所は、機能性飼料やワクチン等の商品開発を行う研究開発室と、家畜の衛生検査やそれにもとづく衛生指導を行うクリニックセンター及び全国5カ所のクリニック分室がある。千葉県佐倉市にある研究開発室に所属する中村素直さんは畜産分野での病気予防のため、病理検査に携わっている。
JA全農家畜衛生研究所 研究開発室 中村素直さん
中村さんは大学時代、獣医学部で薬理学を学び、抗うつ薬の開発に関わった。進路として製薬会社も考えたが、獣医師として畜産業界に貢献したいと思い、2019年、全農・家畜衛生研究所に入会した。
研究開発室勤務は7年目になる。研究開発室は、機能性飼料やワクチン、新たな検査手法の開発、家畜がかかる病気の最新の情報提供を行っている。中村さん自身は、「動物の体の組織を顕微鏡で見て、体内でどういったことが起きているかを知る」病理検査に従事している。病気になった動物の体で何が起きているか、機能性飼料やワクチンによって病気がどのように抑制されたのかを観察する。また、生産現場で生じる家畜の病理検査も行っている。
PCの画面上で牛の心臓を指さす中村さん
中村さんが病理検査を学んだのは研究開発室に入ってからだ。外部の研究機関で半年ほど研修を受けた。研修中は基礎的な知識と技術の習得をはじめ、数多くの症例を経験することで研鑽を重ねた。3年ほど前には、病理診断に関わる認定専門家の資格を取った。病理検査に携わる専門家の討論の場も多く、中村さんは積極的に参加して意見交換し「病理診断の精度を向上」させている。
鳥インフルエンザ、豚熱......生産者に打撃を与える病気は後を絶たない。安定生産を守るため、データを解析し情報を発信する研究開発室のミッションは重要だ。研究開発室として、鳥インフルエンザを運んでくる渡り鳥の飛来動向と、高病原性鳥インフルエンザの発生状況を日本地図に可視化した資料を作成して、鳥インフルエンザの注意喚起につなげている。9月からは鳥インフルエンザを運んでくる渡り鳥や、国内に広く分布するカラスなどの留鳥にも鳥インフルエンザは広がっていく。こうした情報を発信することで正しくリスクを理解して対策することにつながる。
中村さんは、「データ解析を活用した家畜の予防衛生の新しい取り組みに興味があります。たとえば家畜の病気のリスクマップができたら、より根拠を持った啓発活動や対策方法の評価につながる」と語った。
現場を訪ねる家畜衛生研究所の獣医同士の連携、全農内はもちろん家畜の病気に関わる研究機関間での連携、何より生産者に支えられながら、生産性向上や予防衛生への取り組みにつながっていく。
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