シベリア凍土のメタン発生 降水量で増加2014年9月3日
森林総研が解明
地球温暖化に伴う降水量の増加で、シベリアの森林土壌がメタンの発生源になる可能性があることを、このほど森林総合研究所がつきとめた。従来と異なるメタン発生メカニズムであり、地球温暖化を予測する上で重要な知見になる。
森林総合研究所が、中央シベリアのカラマツ林における土壌のメタン吸収(放出)速度を観測した結果、降水量の多かった年の単位面積当たりのメタン吸収速度は、他の亜寒帯林や温帯林に比べて半分から10分の1程度だった。一方で、放出速度は上昇する傾向が見られた。これまで、森林土壌はメタンの吸収源、湿地は放出源として、シミュレーションのモデルに組み込まれていた。
今回の森林総研の研究成果は、永久凍土の広がる亜寒帯林では、地球温暖化だけでなく、降水量増加が、本来はメタン吸収源である森林土壌をメタンの放出源に変え得るということを示した。
中央シベリアは、温暖化によって降水量の増加が予想される地域であり、将来的にはIPCC (気候変動に関する政府間パネル)による温暖化予測への貢献が期待される。


(グラフ等は森林総合研究所の発表資料より)
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